日本市場向けに専門家が選んだスペインの新刊書籍をお届けします。
今回は以下の専門家の方々に選んでいただきました(あいうえお順/敬称略)
伊皿子りり子(サウザンブックス編集長) /笈入建志(往来堂書店) /鹿児島有里
(フリーランス編集者) /武田伊智朗(サンマーク出版) / 野谷文昭(名古屋大国語大学教授・東京大学名誉教授)
各書籍のレポートを担当したのは以下の方々です(あいうえお順/敬称略)
青砥直子 / 井原美穂 / 小原京子 / 児玉さやか / 笠原 未来歩 / 佐藤晶子 / 嶋田真美 / 轟 志津香 / 長神末央子 / 中山 映 / 村田名津子 /吉田 恵 / Javier Fernández Sánchez
友だちの誕生会に招待されなかった子どもは、仲間はずれにされた気持ちになる。心理学者である著者は、そういった状況を理解するよう手を差し伸べる。下校するとき、みんなわいわい騒いでいる。クラスメイトの誕生会があるのだが、招待されなかった子がいる……誕生会が開かれるとき、招待されなかった子どもは悲しくなり、仲間はずれにされた気持ちになる。
サナブリア医師は参っていた。ベネズエラの政治的状況は悪化の一途だし、個人的には、反チャベス派の過激な妻と急進的体制派の弟の間を取り持つのにはうんざりしていた。そればかりか、政府の官僚である甥に、極秘の危ない録音が入った携帯電話を隠してくれと頼みこまれた。そんななかで、失業中のジャーナリストは大統領の病気についての本を仕上げるためにとんでもないことをしでかし、暴力が横行する街を避けて母親とふたり家に閉じこもって暮らす9歳の少女は、チャットで知り合った少年に僅かな希望を見出す。
クリエイティブで革新的な形でアイデアを売りこんだり、コンセプトや製品をプレゼンしたくはないか? クライアントや上司や共同出資者、投資家などに、メッセージで大きなインパクトを与えるには? 複雑なアイデアを伝えなければならないが、どうすればよいのか? 解決するのはイラストだ。本書は、イラストやビジュアルなコンセプトを仕事のツールとして提案する。あらゆる状況に合わせて、創造、理解、コミュニケーションの新しいヒントを与えてくれるイラスト。「絵は描けない」と思うのは間違いだ。
ギリェはいつも笑顔を絶やさない、一見幸せそうな男の子。しかし少し爪でひっかけば、その下に謎が隠れているのがわかる。笑顔を絶やさない内気なギリェは、想像力豊かな本好きの少年。友だちは女の子がひとりだけ。ここまでは平穏な話だ。だが、物静かな仮面の下にはトランプの城のように壊れやすい、謎に満ちた世界が隠されている。経済的に追い詰められた父親、不在の母親、好奇心をそそられた教師、背景にあるパズルを組み立てようとする心理学者。感情、優しさ、空虚さ、発せられなかった言葉、恐ろしい謎が息づく群像小説。
一見何の価値もなさそうな風変わりな絵画1点が瓦礫の中から偶然発見される。しかし実際はとてつもなく貴重な美術コレクションの一部だとわかる。それは独立戦争の真っ只中、テルエルのマエストラスゴの村、バルデロブレスの地下に掘られた入り組んだトンネルの片隅に、知識人たちによって隠されたコレクションだった。そのお宝を探し出そうと人々が殺到し、追跡と死の狂奔劇に巻きこまれていく。