本書は思春期向けの書籍だが、全ての年齢層の読者に好まれる作品。この誠実な物語の主人公はクアシ。現代社会の良識の声ともいえる思春期目前の女の子だ。彼女が体験する波乱万丈とともに、私たちは人情、団結、自己アイデンティティの模索、人の成長について多くを学ぶ。その文章は、想像力に溢れ、メタファーや言葉遊びに満ち、それらによって読者は著者が提案する考察に優しく導かれていく。本書では全てが明るく楽観的で、価値観について教えるだけではなく、非常に楽しい体験を与えてくれる。
ララは学校で「ビチョ・ラロ(変な子)」というあだ名をつけられている。仲間外れにされている理由はまず、彼女は文学にしか興味がないみたいだし、友だち付き合いがうまくないからだ。ララは2年前にパリに引っ越した。その環境の変化はひとつのチャンスだと思ったがそうじゃなかった。やりきれなくて、学校をさぼりパリの街をぶらぶら散歩している途中で、不思議な本屋、ブランシャール書店を見つける。その本屋の看板は1冊の開いた本で「エクス・リブリス」と言う文字とクエスチョンマークがふたつ書かれている。
ララは学校で「ビチョ・ラロ(変な子)」というあだ名をつけられている。仲間外れにされている理由はまず、彼女は文学にしか興味がないみたいだし、友だち付き合いがうまくないからだ。ララは2年前にパリに引っ越した。その環境の変化はひとつのチャンスだと思ったがそうじゃなかった。やりきれなくて、学校をさぼりパリの街をぶらぶら散歩している途中で、不思議な本屋、ブランシャール書店を見つける。その本屋の看板は1冊の開いた本で「エクス・リブリス」と言う文字とクエスチョンマークがふたつ書かれている。
セサルとマラは経営学部の学生カップルで、卒業を間近に控えている。ふたりは街で暴漢に襲われるが、見知らぬ男、ミケルが現れて事なきを得る。ミケルは、芸術学部の学生で、どのようにして襲ってきた男たちに警察が来たと思いこませ、彼らを追い払ったのかの顛末を説明する。数日後、セサルは事件を振り返り、芸術に関するミケルの持論は、マーケティングに応用したらとても役に立つのではないかと考える。ふさわしい舞台と雰囲気を創れば、人々の決断を左右できる。そしてそれこそが、ものを売る者がやるべきことだ。
70年代のアルゼンチン。労働組合は過激左翼によって牛耳られている。ひとりの製鉄所幹部を乗せたヘリコプターが川に墜落し、彼は死亡する。現金が詰まった彼のアタッシュケースが跡形もなく消える。彼の死と現金の行方に関する憶測が飛び交う。組合の代表と交渉? 彼らを買収? 大勢の死者を出すことにつながる不法な鎮圧のための資金? 物語は暗いエピソードを軸に展開し、そのドラマの核はコスタ・ガヴラス(映画監督)風に使われ、家族をめぐるこの小説においてお金の役割を見直すこととなる。
家から逃げてきたひとりの子供が、隠れ家の奥に潜んでいる。彼を探す男たちの叫び声が聞こえる。男たちが通り過ぎてしまうと、彼の前には干からびた大地が果てしなく広がっている。逃げてきた場所に戻りたくなければ、そこを超えて行くしかない。ある夜、ひとりのヤギ飼いと出会い、その時から、ふたりにとって全てが一変してしまう。Intemperie(悪天候)は、干ばつにみまわれ暴力に支配される国を通り抜けて逃げる、ひとりの少年の逃避行を語る。閉ざされた世界、名前もなく日付もない。
まずこの小説は実在の人物が出発点だ。世界で最も強大な権力を持った男のひとりで、ニューヨークの高級ホテルの1室においてホテル従業員の黒人移民女性を暴行したと訴えられて、慌てて帰国の便に乗り込んでいたところを逮捕され、世界中のニュースや討論や巷の噂をにぎわせた男だ。著者は、そこに端を発し、物語を再現するだけにとどまらず、想像力と叙述力の豊かな才能を発揮して、文学が持つ変化球でその物語に取り組む。表現方法も内容も圧倒的に過激な試みのなかで、この実在の人物がDK、偉大な神Kに変身する。
2011年夏、ポル・バルサックは、抗議デモ中の妨害行為により彼を逮捕しにきた警察からのがれようと、自宅のベランダからぶらさがって外に出る。しかし、不思議な物理現象が起き、ポルの身体は異次元へと運ばれる。城のある美しい街、現実のものとは思えない動物たち、密林のジャングルがある幻想的な世界だが、奇妙なことにポルは親しみをおぼえる。その世界で生きのびるためには、ポルは伝説の男カルバダンになりすまし、天災に脅かされている住人を救わなければならなかった。
全てを飲み込んでしまうアウシュビッツの黒いぬかるみの上に、フレディ・ヒルシュは密かに学校を建てた。本が禁止されている場所で、若い娘ディタは服の下に、史上最も小さく、人目につかない、秘密の公共図書館のもろい本を何冊か隠している。恐怖の真っただ中にあって、ディタは私たちに勇気についての素晴らしい教訓を与えてくれる。恐ろしいナチスの絶滅収容所の中でさえ、彼女は屈しないし、生きる意欲、読書の意欲を決して失わない。なぜなら「本を開けることは汽車に乗ってバケーションに出かけるようなもの」だから。
魔女のマルハはやっかいな問題を起こしてばかり。一番最近のは、ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家。別の場所への移動願いを出したけれど、お話をめちゃくちゃにしてしまったのをえらい魔女のマンドーナが知ったらどうなるか……。本書は9歳以上まで読者対象を広げている、大ヒットシリーズEl Baúl de los Monstruos(怪物たちのトランク)の1冊。イラストがたっぷり入ったオールカラーの絵本で、型やぶりの魔女が子どもたちを笑わせてくれる。