カザーン谷へいらっしゃい、宇宙でいちばんすてきな秘密の場所へ! ココはカザーン谷で、魔女のおばあちゃんと、ハムという名の数独の好きなブタの友だちと暮らす女の子。谷はすてきなものでいっぱい。水道からはイチゴシェークが出てきて、ドラゴンやポニコーンやイルカがいて、バニラアイスの雪が降る。だけどココは、普通でないことにすっかり慣れてしまって、楽しめない。すっかり飽きている。ある日突然、境界を越えて、知らない世界へ行くことに決めた。そこでミーウィーという、すてきな生き物に出会った。
美術品や骨董品を販売しようと考えるオーナーが抱く疑問はいくつもある。「個人で取引する? オークション? それとも画廊?」「この手数料は妥当?」「提示された評価額は低すぎないか?」「輸出ライセンスは必要?」 本書はそうした全ての疑問に対し、アート市場で長年の経験を持つプロの視点から回答している。
情熱的で陽気で魅力的な、一風変わった伝記。フェデリコ・フェリーニの映画とシュールレアリスムの詩の間にあるようなアランの人生は、人の有するレジリエンスを私たちに明示し、夢を追い求めるよう誘いかける。《苦しくとも勇気ある豊かな人生が描かれたこの伝記を通して、アランは道化師の鼻、つまりこの小さな仮面が、私たちを自分らしくさせ、自分たちの小ささや厳しい現実を前にした時の困惑を示してみせ、その傷を癒すことを発見した……。今やこの発見によって彼は壊れた魂を見事なまでに治癒することができるのだ。
ア・コルーニャ県のアス・マリーニャスに暮らすある家族の物語。印象、記憶、写真、母親の日記、信頼できる証言などを元に、作者のシェスス・フラガはまるでキャンバスに絵を描くみたいにこの20世紀後半の物語を展開させていく。登場人物たちが引き寄せられる街ロンドンの入り組んだ地下鉄路線のように、多くの読み方ができるのも本作の特徴だ。また感嘆すべき孫とその強い祖母の物語でもある。
音楽グループ・ハプニングの4枚目のアルバムからの初のシングルであり、1月30日の「非暴力と平和の日」を祝うために15万人以上の学生が歌い踊った楽曲、「Vivan las manos de colores(ビバ、色とりどりの手)」。同曲のヒット後、ハプニングは「Viva la vida de colores ビバ、色とりどりの生活」と題したショーをすることに決めた。同じタイトルを持つこの物語によって、グループはそのショーで演奏されるすべての歌の世界にわたしたちを連れていってくれるだろう。
アルゼンチン出身でメキシコ在住の詩人、ホルヘ・ルハンと、作家兼イラストレーター、マンダナ・サダトによる5冊目の絵本。文字の形と現実にあるものの相似や類似をもとにした、とても独特なアルファベットについての、非常に楽しい本。大人のように論理的に思考するのではなく、類似性に基づいた思考力を持つ子どもたちに近い感性で作られている。
オオカミのワルは花咲く森で、友だちのハリネズミのウヌボレといっしょに暮らしている。いっしょに森を見守り、道で見つけたごみを拾ってリサイクル。だけど、ワルは信用されない。もう悪い子じゃないのに。分かってもらえるでしょうか? 本作は自然と友情、そして何よりセカンドチャンスを描く、美しい物語。
「メディアが提供するマドリードのイメージはとても興味深い。一日がリッツから始まり、昼はインターコンチネンタル、夜はパレスホテルで終わるが、もちろん、貧乏は相変わらずだ」マドリードの若い政治特派員として、バルとニュースルーム、本とガールフレンドたちの間を行き来しながら人生を始めることは、ピカレスクあるいはストイシズムを気取る口実になる上に、作家を目指すジャーナリストにとっては何よりすばらしい修業の機会となるものだ。
不穏な言い伝えが残るストラディバリウスのチェロ、謎の失踪、未解決事件、一筋縄ではいかない幽霊話――2019年7月、世界の主要紙は衝撃的なニュースを大々的に報じた。「著名チェロ奏者レベッカ・ブラックウッド、嵐の夜に消える。夫、助手とともにヨットで航海中」。警察による必死の捜索活動や緻密な捜査でも、彼女の身に一体何が起きたのか手がかりがつかめないまま3ヶ月が過ぎる。そして10月31日、レベッカの死亡宣告まで残り数時間。
ニューヨークからバラハス空港に着いたカルロス・Hは疲労困憊しきっていた。出迎えに来た自分の母親と恋人の姿を見つけ、だるそうに歩き出した彼だったが、到着を待つ群衆の中に美しい女性を見かけて、ついついそっちに足を向けてしまう。「ミスターノバック」と書かれたボードを持ったその若い女性にカルロスは、「こんにちは、ノバックです」と手を差し出して・・・この無謀ななりすましから、カルロスはこれまでの人生とはまったく異質な世界に深く引きずりこまれていく。何もかもとんでもない世界に。