シュールなノワール、突飛で凄まじい純正のコメディ。著者がまたしても舞台に選んだのは独特な街マドリード。主人公はカストルのあだ名で知られるコメディアンで、テレビで演じるひとり芝居が有名。成り行きと運任せの人生だが、その運に導かれ、彼とよく似たフリオという名のウェイターと知り合う。ふたりは瓜二つだった。そこでカストルは大嫌いな夜会にフリオを自分の代わりに行かせることを思いつく。しかし事はうまく運ばず、過激で気も狂うような出来事が次々と起こる。
イラストレーターであるエンリケ・バルガスと作家のハビエル・マテサンスが贈る人類史の本。精密かつ楽しい絵と文で、歴史上傑出した25人の人物の物語を紹介する。彼ら、彼女らなしでは世界は違っていたかもしれない。時にわたしたちは人間の精神の素晴らしさや、人類の歴史の中で偉大な事業を成し遂げた人々がいたことに意識を向けないことがある。ペニシリンがなければ人類が生き残るのは難しかっただろうし、アメリカ大陸のない地図や、本のない図書館は想像できない。