第二次世界大戦に見舞われたイタリアを舞台にした小説。 少年ロマン・アルベルディは、バスク一周のレースで、初めて偉大なサイクリストのジーノ・バルタリに会う。内戦で亡命したときにも、ツール・ド・フランスで再びジーノ・バルタリに会う。その後ロマンはジーノに会おうと、トスカーナのポンテ・ア・エマに赴く。サイクリングだけではなく、様々なテーマや人物がこの本で交差する。
ビルヒニアは父親との関係がずっとうまくいっていなかったが、病院でこん睡状態の父を毎日見舞うのは義務だと感じている。病に取りつかれた彼女にとって、症状は言葉よりも正直だ。その病室で、ビルヒニアの人生の決定的な瞬間に、母親や姉妹との絆が試される。彼女が母親になれる期限が迫っていた。そのとき、謎めいた魅力的な男の患者が新しく隣のベッドにやってくる。ビルヒニアと男は、少しずつ病院の無菌状態にはふさわしくないことを一緒にするようになり、ついに小さな共有スペースをつくる。