ダチョウは羽を使ってなにができる? 飛び跳ね、拍手し、あいさつし、ハグをして、触ることができる……、でもエルビラは、もっとなにかしたい……。たくさん長所があるというのに、小さなダチョウのエルビラは飛びたがっている。だけど、ほしいものがいつでも手に入るとは限らない。この物語を通して私たちは、自分を認め、自分自身を愛することを知る。
1998年1月、アナ・マリア・マトゥーテはスペイン王立アカデミーで《En el bosque(森のなかで)》と題した入会の講演を行った。言葉でできたその場所から物語の語り手は、明瞭な声で子どものころから魅了されてきた世界を披露した。聴衆の前に生き生きと立ち上がったのは、作家としての軌跡に常に寄り添ってきた映像や人物、すなわち秘密のささやき、暗がりにひそむ目に見えない命、世界の中心の住民たちの声。
これは単に学校でのいじめの現実を伝える作品ではない。登場人物のひとり、中学生のアルバロが一人称で語る物語。アルバロは家庭の事情で転校してから、学校生活の苦い側面を味わうことになった。新しい学校で、あるグループから攻撃の標的にされてしまったのだ。アルバロはもうひとりの生徒も同じように攻撃されていると知る。彼を助けることが、自分の問題を解決するきっかけになるだろう。登場人物の生活を多角的に見つめ、その個人的欲望や家庭生活を掘り下げる、力強い物語。
世界的に著名な作家たちが登場する7つの短編集。共通のテーマとして戦争がもたらす破壊と死、そしてそれらに打ち克つ、逆境を前にした希望の視線、不幸を乗り越える強さ、団結の絆を描く。それぞれの短編に登場するのは、まず避難民の少女が感動的に語るリッチマル・クロンプトン、エレナ・フォルトゥン、詩人のミゲル・フェルナンデス、フェデリコ・ガルシア=ロルカ、ラファエル・アルベルティ、ガブリエル・セラヤ、文芸クラブとフェミニズムに関連してグロリア・フエルテス。
トニ・ロドリゲスはヴィーガンスイーツの技術と製法の研究に力を注いできたひとりで、本書ではそのスイーツを紹介する。収録する100を超えるレシピは以下のような項目に分かれている。
白黒のデッサン・絵画制作の無限の可能性を追及した一冊。墨、鉛筆、ボールペン、竹、水溶性グラファイト、各種支持体用の様々な種類のフェルトペン、グラッタージュなど、伝統的な技法・塗り方、現代的な技法・塗り方を分かりやすくひとつずつ解説。章ごとにひとつの技法を取り上げ、利用方法、材料の種類、その技法を用いたサンプル絵画、技法が誕生した際の興味深い秘話、コツ、その他の古典・現代画家の紹介など、役立つ情報を盛り込んでいる。いずれの章にも完成版と制作過程の写真を掲載。
対象を写実的に精密に描くことを目指した技法ジャンルである、ハイパーリアリズム運動を紹介した本。情報や参考画像の収集といった、作品に向き合う前にまずすべきことから、デッサン、絵画、彫刻のさまざまな技法にいたるまで、制作過程をひとつずつ解説。白黒や色鉛筆での描き方、水彩絵の具、油絵の具での描き方、だまし絵の作り方、超写実的な3Dモデルの作り方を紹介。ハイパーリアリズム作品を制作するためのあらゆる技法とアドバイスが掲載されており、楽しみながら学ぶことができる。
愛情の問題はいつも感情で彩られ、危険に満ちて厄介で、矛盾だらけ。そして何より、気持ちと感情でおおわれてしまっている。愛に触れると自分をコントロールできなくなって、情熱の風に吹かれ、すっかり理性を失うほどにわけがわからなくなってしまうことが多い。だから危険で厄介だというのだ。恋をして理性を失ってしまうと、現実に気づけなくなる。そして見えなくなった現実が、私たちを破滅へと導く。幸い、たいていの場合は友だちや心から愛してくれる人がいて、手遅れになる前に悲劇から救い出してくれる。
月に歌った詩人、フェデリコ・ガルシア=ロルカのように大いなる夢を見よう。スペイン屈指の作家、ジョルディ・アマットがロルカの人生を子どもたちに紹介してくれる。わたしたちが知るヒーローはたいていの場合、魔法を使えたり、肩からマントをはためかせたりしている、特別な存在だ。しかし、あなたやわたしのように時には間違いを犯し、また時には大成功を収めるような、生身の人間のヒーローもいる。フェデリコ・ガルシア=ロルカもそんなヒーローのひとりだ。