穏やかなメロディーのように始まる物語は進むにつれ息をつくのも忘れるほどのスリラーへと展開していく。しかしそれはまた、虚構と現実が混在する別の小説の中の小説でもあった。ある小説家が青春時代に熱を上げたロックグループのギタリスト兼ボーカルに再会し、彼らの足跡をたどるためにインタビューをしたことがすべての始まりだ。年代や置かれた状況を問わず、すべての人に押し寄せる様々な感情のせめぎ合い。
「マルティンは僕の親友。でも変わってるってみんなが言うんだ。イチゴが大好きだけど鼻から食べるし、シャツを好んで着るけどボタンは全部しっかり留めるし、庭で虫を捕まえてはポケットに入れちゃう。コロッケは毎回必ずきっかり9個ずつ食べるんだ」。 2015年10月21日に教育省の後援でスペイン児童図書評議会 (OEPLI)が公募したラサリーリョ賞絵本部門の受賞作が決定した。応募のあった51作品の中から選出されたのは本作品マルティン。
ラウラは自分の赤い複葉機に乗って世界を旅して回り、オーストラリアに着いた。家に帰る前にコアラやカンガルーにご対面。友情と自然環境保護のふたつのテーマを軸にした物語。イラストに描かれている各場面について話すことで想像力を掻き立て、会話を促す。また格納庫、ワシのひな、滑空するなどの言葉も覚え、イラストの詳細を読み解く練習にも向いているほか、多様な風景の特徴や登場する動物とその生息地などについて話し合うことができる本。
深い愛情に満ちた父娘を描くこの美しい物語は、たとえ目が見えなくても見えるものがあることを教えてくれる。暗闇に生きようとも視野が欠けていようとも充実した人生を送ることは可能だ。例えばこの本に登場する父娘は歩いて通う学校までの道のりを冒険の旅と捉えて楽しむ。町は勇猛な動物と魅惑的な音でいっぱいのジャングルに変貌するのだ。もっと住みやすく美しい世界を得るために互いを必要とする少女と父親、そのふたりの間にある優しさと互いを称え合う気持ちが伝わる作品。
深い愛情に満ちた父娘を描くこの美しい物語は、たとえ目が見えなくても見えるものがあることを教えてくれる。暗闇に生きようとも視野が欠けていようとも充実した人生を送ることは可能だ。例えばこの本に登場する父娘は歩いて通う学校までの道のりを冒険の旅と捉えて楽しむ。町は勇猛な動物と魅惑的な音でいっぱいのジャングルに変貌するのだ。もっと住みやすく美しい世界を得るために互いを必要とする少女と父親、そのふたりの間にある優しさと互いを称え合う気持ちが伝わる作品。
木の葉が無くなってしまった暗い夜の森を捨て、旅に出る動物たちの様子を力強いタッチの絵だけで雄弁に物語る。一度きりの大移動は死と希望が共存する不安に満ちた長い旅。様々な脅威に立ち向かいながら国境を越えて進む。ありのままの姿を描いたイッサ・ワタナベの絵は、難民キャンプの日常やメディアでよく取り上げられる移民の映像のような見慣れた光景からも読者の心を揺り動かし、反省、共感、連帯感を生み出す。移動という状況を通して歴史的な決断の必要性を読者に気づかせてくれる本。
主人公の少女はずいぶん前から近所の人たちを観察しており、彼らの行動を通して真の愛の意味を知るための答えを見つけ出している。愛はいろんな感情の中心にあって、心のよりどころのひとつだと私たちは幼いころから教えられてきた。子供が愛について学ぶことは、それがどのような形の愛であっても、大人の行動を理解するうえで大きな助けになる。「イアとフランはご近所さんで、ふたりはお互いのことを好きなんだと思うの!」この物語は、こんな文章で始まる。