過去の紹介書籍アーカイブ

ビティは、麻薬に侵されている。罪深い魔法使いの衣装、紫と悪徳を身にまとい、髪の毛には火がついている。口はない。だって、聖域のトイレで、聖体拝領をするのには目がひとつあればいいから。夜、金色の流れに引きずられ、黄色い妄想にとりつかれて現れ、悲愴な面持ちで一瞬立ち止まって星を眺める。液体や思い出が浮かび上がる。たった一滴のしずくが、ビティの青春を曇らせた。そしてそこで、ビティは友だちを待ち続けている。さよならも言わず永遠に行ってしまった友だちを。「最後のパーティ」と自分に言い聞かせるが、それは嘘だとわかっている。トイレにつづく廊下を再びたどり、暗くて汚いビティの宮殿を嘆きの涙で照らすのだ。

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コミック

ここに問題あり

Aquí hay avería

ロレンソ‧モンタトーレ

Lorenzo Montatore
ECC Ediciones (El Catálogo del Cómic, S.L.)

病気で余命いくばくもないことを悟った有名漫画家ルンディは、娘と妻が路頭に迷わないよう銀行強盗をやろうと思いつく。報道や彼の伝記で知られている通り、この強盗は失敗に終わりルンディもその中で死んでしまうのだが、娘のエリサが成人した時に、なぜ自分が「国際民間銀行」を襲撃しようとしたのかを伝えるべく彼は漫画を描き残していた。しかし漫画は未完であり、ルンディが残した遺書には、長年、自身のゴーストライターとして絵の手直しをしていたハビエル・アラ(作者)にその完成を託すと記されていた。アラは仕事を引き受けるものの、ルンディを憎むあまり、漫画の内容を膨らませその正体を暴くつもりでいた。

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コミック

フリーハンド強盗

Atraco a mano alzada

ハビエル‧アラ

Javier Ara
Editorial Drakul

何年も会っていなかった3人の友人が、地図に描かれた謎のX印を目指し、長い道のりを進んで行く。そんな前提で『Cenizas(灰)』の物語は始まる。出会いとすれ違い、追跡、道沿いのモーテル、バンジョーを弾く髭面のチンピラたち、船の墓場、飲み放題のビール、口論、二日酔い、そして暴力有り官能有り。心揺さぶるロードムービーと、バイオレンス・スリラーが激しく錯綜する。目に見えるとおりのものは何もない。

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コミック

Cenizas

アルバロ‧オルティス

Álvaro Ortiz
Astiberri Ediciones

コスモとそのチームは、新しいジェットパックの最初の試運転を準備中。若き宇宙飛行士コスモは宇宙服を着て、準備はいよいよ最終段階……。そのときジェットパックが爆発し、コスモは宇宙へ放り出されてしまった。仲間との連絡手段も断たれ、方向を知る術もない。漂流から始まったコスモの旅は、退屈とは無縁。宇宙人、救助船、駆逐艦、魔術師、波乱に富んだ発射、そして排水管のミュータント……。どちらかといえば運のいい、数えきれないほどの出会いが、我らが主人公を待ち受けている。 ハビ・デ・カストロは物語づくりで挑戦するのが好きだ。ウェブコミック『The Eyes(目)』で2020年のアイズナー賞とハーヴェイ賞にノミネートされ、その後オンラインゲームから書籍化された『Crímenes ilustrados(図解・犯罪)』にイラストレーターとして参加、2021年には“フォークホラー”のグラフィックノベル『Villanueva(新しい町)』(アスティベリ、2021)を上梓。今回は二度読める、いや二度読むべき児童向けコミックに挑戦した。最初は普通に、それから逆さまに読んでほしい。コスモの冒険は、この本の64ページ目で終わるわけではなく、ひっくり返して読むことで続いていく。類まれな読書体験だ。

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Javier de Castro著『Cosmo en el espacio』の表紙
コミック

NEW

宇宙のコスモ

Cosmo en el espacio

ハビ・デ・カストロ

Javier de Castro
Astiberri Ediciones

翻訳出版済

僕の名前はブロ。ダウン症だけど、彼女もいるし、友達もたくさんいる。それに大好きなレコードもあるんだ」。日常性と社会への溶け込みが、この本に収められたコミカルで気楽な作品群の特徴です。作者たちは次のように語っています。「ダウン症の親族がいる人なら、誰でも本当に面白いエピソードをいくつか持っているものです。私たちの目標は、それらの話をダウン症の人の視点から、とてもシンプルな物の見方で語り直すことです

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Noël Lang,  Rodrigo García著『Downtown』の表紙
コミック

ダウンタウン

Downtown

ノエル・ラング

Noël Lang
Dibbuks

本作『Drácula(ドラキュラ)』は、ブラム・ストーカーの原作を、作者のフェルナンデスが忠実に解釈した上で自由な脚色をもって描いた作品。1982年、クリーピー誌(スペイン語版)に1章ごと掲載され、読者が選ぶ最優秀作品賞を受賞した。イタリア、フランス、ドイツ、米国でも出版されており、一般読者のみならず批評家からも高く評価された。今回、通し番号付きで刊行される特別記念版は、フェルナンデスの手による原画を実際に鑑賞するかのごとくそれぞれのカットを楽しめるようにと、すでに故人である作者の家族が保管していたオリジナルの油彩から印刷された。同様に作家の残した資料の中から発見され家族によって保管されてきた、未発表の鉛筆デッサン6点が今回初めて収録された。作家のマルセル・ミラレスが序文を、著者の息子エクトル・フェルナンデスが跋文を担当。

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コミック

ドラキュラ

Drácula

フェルナンド‧フェルナンデス

Fernando Fernández
Ediciones de Arte y Bibliofilia

糖尿病に関する初の自伝的コミック作品。マリナは糖尿病と診断されたとき、すべてはこれまで通りだと思った。でもそこからは、何もかもが以前と同じではなくなる。毎日、生き続けることを心配しなければならない少女のリアルな生活とは? マリナ・テナは若い世代の読者に向けて、幼少期から大人になるまでの、自身の糖尿病についての経験を正直かつ感情豊かに描く。それらは、慢性疾患と診断された他の多くの少年少女の経験でもありうる。大切なのは病気だけでなく、人生への愛情、日々の些細なことへの情熱、そして何よりも人としての成長であるという、力強い人生の手引書。

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Marina Tena著『Dulce』の表紙
コミック

NEW

甘い

Dulce

マリナ・テナ

Marina Tena
MARINA Books

翻訳出版済

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El Torres, Gabriel Hernández著『El bosque de los suicidas』の表紙
コミック

自殺の森

El bosque de los suicidas

エル‧トレス

El Torres
Dibbuks

マルコス・ベーは、自分で漫画の技法を身に付けたガリシア人作家で、主にミステリー、アドベンチャー、ファンタジーものの作品を発表している。大人向けの作品はリアルで細部にまでこだわった劇画調、ユーモラスな作品はシンプルで軽いタッチ、というふうにまったく異なるスタイルで描き分けるのが特徴だ。絵や物語の創作はずっと続けていたが、プロデビュー作は2013年に出版された初の長編漫画『Las aventuras de M&M, El caserón del acantilado (M&Mの冒険、崖の上の豪邸)』。それ以来、「エイ!」や「エクセへシス」などの雑誌で絵を描き、バイーア、エディヌメン、テベオックスなどの出版社とも仕事をするようになった。現在はイラストの仕事を受けながら、冒険物語『M&M』の続編制作など自身のプロジェクトも進めている。

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コミック

崖の上の豪邸

El caserón del acantilado

マルコス‧ベー

Marcos Beltrán
Tebeox Editorial

白鳥が一羽、黒鳥が一羽、剣を持った親指のない猫が一匹、そしてボーイフレンドの眼鏡を探すひとりの少女……。彼らはみんなで『隠された白鳥』を形作る。アングレーム郊外の散策と即興から生まれた作品であり、冒険、ファンタジー、そして奇想天外なユーモアの物語。

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Islena Neira著『El cisne oculto』の表紙
コミック

NEW

隠された白鳥

El cisne oculto

イスレナ・ネイラ

Islena Neira
Sallybooks Editorial

犯罪にまみれ罪悪感にさいなまれる生活を捨て小さな町にやってきたセリア。しかし、新しい暮らしは、隣家の不穏な音と匂いによって邪魔されることになる。彼女は元彼のポールを呼んで隣家の秘密を探ろうとするのだが、ふたりには大きな影が忍び寄っていた。亡霊となって今もなおつきまとう、彼らの共有する悲惨な過去。悪魔がささやく時、傷跡は開き、血はとめどなく流れていく。

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コミック

悪魔は我らにささやく

El diablo nos susurra

ゼルカル

Zerkkal
Tebeox Editorial

誰かが亡くなると、何が起こるのでしょうか? 確かなのは、正しい答えはないということです。生きている人々の間に残るものだけは知られています。虚無と不在に向き合おうとする、感情の渦です。本作では、パウラががんで母親を亡くした後の喪失のプロセスについて語ります。彼女はさまざまな段階を通じて、やがて痛みと共に生きることを学び、それをもう一度自分を突き動かす力に変えます。

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Paula Cheshire著『El duelo』の表紙
コミック

NEW

喪失

El Duelo

パウラ・チェシャー

Paula Cheshire
Fandogamia Editorial S.L.