過去の紹介書籍アーカイブ

ビティは、麻薬に侵されている。罪深い魔法使いの衣装、紫と悪徳を身にまとい、髪の毛には火がついている。口はない。だって、聖域のトイレで、聖体拝領をするのには目がひとつあればいいから。夜、金色の流れに引きずられ、黄色い妄想にとりつかれて現れ、悲愴な面持ちで一瞬立ち止まって星を眺める。液体や思い出が浮かび上がる。たった一滴のしずくが、ビティの青春を曇らせた。そしてそこで、ビティは友だちを待ち続けている。さよならも言わず永遠に行ってしまった友だちを。「最後のパーティ」と自分に言い聞かせるが、それは嘘だとわかっている。トイレにつづく廊下を再びたどり、暗くて汚いビティの宮殿を嘆きの涙で照らすのだ。

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コミック

NEW

ここに問題あり

Aquí hay avería

ロレンソ‧モンタトーレ

Lorenzo Montatore
ECC Ediciones (El Catálogo del Cómic, S.L.)

病気で余命いくばくもないことを悟った有名漫画家ルンディは、娘と妻が路頭に迷わないよう銀行強盗をやろうと思いつく。報道や彼の伝記で知られている通り、この強盗は失敗に終わりルンディもその中で死んでしまうのだが、娘のエリサが成人した時に、なぜ自分が「国際民間銀行」を襲撃しようとしたのかを伝えるべく彼は漫画を描き残していた。しかし漫画は未完であり、ルンディが残した遺書には、長年、自身のゴーストライターとして絵の手直しをしていたハビエル・アラ(作者)にその完成を託すと記されていた。アラは仕事を引き受けるものの、ルンディを憎むあまり、漫画の内容を膨らませその正体を暴くつもりでいた。

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コミック

フリーハンド強盗

Atraco a mano alzada

ハビエル‧アラ

Javier Ara
Editorial Drakul

何年も会っていなかった3人の友人が、地図に描かれた謎のX印を目指し、長い道のりを進んで行く。そんな前提で『Cenizas(灰)』の物語は始まる。出会いとすれ違い、追跡、道沿いのモーテル、バンジョーを弾く髭面のチンピラたち、船の墓場、飲み放題のビール、口論、二日酔い、そして暴力有り官能有り。心揺さぶるロードムービーと、バイオレンス・スリラーが激しく錯綜する。目に見えるとおりのものは何もない。

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コミック

NEW

Cenizas

アルバロ‧オルティス

Álvaro Ortiz
Astiberri Ediciones

本作『Drácula(ドラキュラ)』は、ブラム・ストーカーの原作を、作者のフェルナンデスが忠実に解釈した上で自由な脚色をもって描いた作品。1982年、クリーピー誌(スペイン語版)に1章ごと掲載され、読者が選ぶ最優秀作品賞を受賞した。イタリア、フランス、ドイツ、米国でも出版されており、一般読者のみならず批評家からも高く評価された。今回、通し番号付きで刊行される特別記念版は、フェルナンデスの手による原画を実際に鑑賞するかのごとくそれぞれのカットを楽しめるようにと、すでに故人である作者の家族が保管していたオリジナルの油彩から印刷された。同様に作家の残した資料の中から発見され家族によって保管されてきた、未発表の鉛筆デッサン6点が今回初めて収録された。作家のマルセル・ミラレスが序文を、著者の息子エクトル・フェルナンデスが跋文を担当。

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コミック

ドラキュラ

Drácula

フェルナンド‧フェルナンデス

Fernando Fernández
Ediciones de Arte y Bibliofilia

マルコス・ベーは、自分で漫画の技法を身に付けたガリシア人作家で、主にミステリー、アドベンチャー、ファンタジーものの作品を発表している。大人向けの作品はリアルで細部にまでこだわった劇画調、ユーモラスな作品はシンプルで軽いタッチ、というふうにまったく異なるスタイルで描き分けるのが特徴だ。絵や物語の創作はずっと続けていたが、プロデビュー作は2013年に出版された初の長編漫画『Las aventuras de M&M, El caserón del acantilado (M&Mの冒険、崖の上の豪邸)』。それ以来、「エイ!」や「エクセへシス」などの雑誌で絵を描き、バイーア、エディヌメン、テベオックスなどの出版社とも仕事をするようになった。現在はイラストの仕事を受けながら、冒険物語『M&M』の続編制作など自身のプロジェクトも進めている。

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コミック

崖の上の豪邸

El caserón del acantilado

マルコス‧ベー

Marcos Beltrán
Tebeox Editorial

犯罪にまみれ罪悪感にさいなまれる生活を捨て小さな町にやってきたセリア。しかし、新しい暮らしは、隣家の不穏な音と匂いによって邪魔されることになる。彼女は元彼のポールを呼んで隣家の秘密を探ろうとするのだが、ふたりには大きな影が忍び寄っていた。亡霊となって今もなおつきまとう、彼らの共有する悲惨な過去。悪魔がささやく時、傷跡は開き、血はとめどなく流れていく。

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コミック

悪魔は我らにささやく

El diablo nos susurra

ゼルカル

Zerkkal
Tebeox Editorial

理論家というより、ルシオ・ウルトゥビアは、断然、行動する男。彼の人生は、戦いに次ぐ戦いだった。多くの人の考えに反し、それが彼の遺産であり、ルシオの宝だ。ナバラ出身のアナキスト、ルシオ・ウルトゥビアとの尽きることのない会話やインタビューに基づいて、作者のベラッツは、ルシオの人生に影響を与えた行動、場所、人物、出来事、雰囲気を鮮明かつ綿密に再現する。自身もナバラ州のパンプロナ出身のイラストレーター、ベラッツが、ルシオの公式伝記作家として、最も有名な出来事や、あまり知られていない冒険を語る。カスカンテで送った幼少期、最初の銀行強盗、警察からの逃亡、家族や個人的な問題、有名なシティバンクとの交渉、国境を越える方法など、全て、あるいはほぼ全てが、このアクション満載の本に投影されている。

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コミック

NEW

ルシオの宝

El tesoro de Lucio

ミケル‧サントス

Mikel Santos
Editorial Txalaparta

サグラダ・ファミリア(聖家族)教会が崩壊し、教会と共に、エルダの中で何かが壊れる。エルダは辛い過去との折り合いをつけるために、神戸からバルセロナに戻るため飛行機に乗る。バルセロナの街角で、当時のルームメートだったジュレスやヒロシとともに過ごした90年代の生活を思い出す。果たして彼女の決断は正しかったのかとの疑問が、今になって彼女をさいなむ。その過去から30年以上逃げてきたが、彼女の青春の何かが残っているだろうか?

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コミック

NEW

3人の時代

El tiempo de los tres

フィデル‧デ‧トバール

Fidel de Tovar
Norma Editorial, S.A.

1901年に発表された『El tío Gorio(ゴリオおじさん)』は、詩人のホセ・マリア・ガブリエル=イ=ガランの手による数少ない物語の一作。フアン・ルイス・イグレシアス(原作)とホセ・クルス・デ・クルス(作画)は、このガランの代表作を独自のアプローチにより風俗画タッチの漫画に仕上げた。本作では、ガブリエル=イ=ガラン自身が物語の語り手そして主人公として登場し、彼が創作した登場人物、ゴリオおじさんとプリアおばさんという愛と打算で結ばれた夫婦と交流する。またイ・ガランは、エミリア・パルド・バサン、ベニート・ペレス・ガルドスという他のふたりの文学者と寄り集い文学芸術について考察し内輪話を回想していく。その会話を通じイ=ガランが批判と情愛のはざまで同胞たちをどのように見ていたのかが本作では描かれている。2020年に生誕150年を迎えたスペイン語とエストレマドゥーラ語の魂の詩人、ホセ・マリア・ガブリエル=イ=ガランへのオマージュ。

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コミック

ガブリエル=イ=ガランのゴリオおじさんとプリアおじさん

El tío Gorio y la tía Pulía de Gabriel y Galán

フアン‧ルイス‧イグレシアス

Juan Luis Iglesias
Editorial Drakul

犬や羊たちとともに気楽で波風のない人生を歩んでいるひとりの羊飼い。彼はまだ、金とラム酒に飢えた世界に自らを引きずりこむ見えない力があることに気づいていない。そう、彼はまだ、自らをその存在の深淵まで連れて行き、自分自身を映し出す、すなわち、本当の自分の底に向き合わせる悪魔の契約を認知できていないのだ・・・。

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コミック

Fondo

ロドリゴ‧バスケス

Rodrigo Vázquez
Sallybooks Editorial

1919年1月20日、マドリードのレティーロ公園。著名な小説家ベニート・ペレス・ガルドスは、すでにほとんど視力を失い、体も不自由だったが、彼の栄誉を称える記念碑の落成式に出席する。その夜、銅像の足元で男性が喉を切られて死亡し、犯人は他でもないガルドスの看護師エレナだった。10年前、ガルドスは迷子になっているところを発見された。老いと失明の影響は大きく、マドリードは抑圧的に感じられた。サンタンデールに逃げられないときは、記憶の中に逃げ込んで自分を慰めた。エレナ・ミデレスと出会ったのはそんな時だった。彼女は不幸な境遇で、ラ・ミセリア(不幸な女)とあだ名がついていた。ガルドスは彼女を保護者としてひきとる。エレナの人生は、まさにガルドス風で、ガルドスの小説そのものだった。それぞれの人生、実らなかった恋愛、経済的苦境の思い出を共有しながら、狂暴な舞台のように、抑圧的に迫りくるマドリードをふたりは歩き回る。

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コミック

NEW

ガルドスとラ‧ミセリア(不幸な女)

Galdós y la Miseria

エル‧トレス

El Torres
Nuevo Nueve Editores

約50年前に「ドシエ・ネグロ」や「S.O.S.」などの怪奇ミステリー雑誌に掲載された、巨匠ジョアン・ボアのホラー漫画20作をアレタ出版が復刻。それらの中には、H・P・ラブクラフトやフランツ・カフカ、アーサー・コナン・ドイル、グスタボ・アドルフォ・ベッケール、エドガー・アラン・ポーの名作に基づく作品も含まれている。カバー絵もジョアン・ボアにより新たに描かれ、ホラー界最高の巨匠たちの作品を集めた決定版にふさわしいものとなっている。

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コミック

怪奇ものの傑作たち

Grandes de lo macabro

ジョアン‧ボア

Joan Boix
Grupo Editorial Sargantana

ビティは、麻薬に侵されている。罪深い魔法使いの衣装、紫と悪徳を身にまとい、髪の毛には火がついている。口はない。だって、聖域のトイレで、聖体拝領をするのには目がひとつあればいいから。夜、金色の流れに引きずられ、黄色い妄想にとりつかれて現れ、悲愴な面持ちで一瞬立ち止まって星を眺める。液体や思い出が浮かび上がる。たった一滴のしずくが、ビティの青春を曇らせた。そしてそこで、ビティは友だちを待ち続けている。さよならも言わず永遠に行ってしまった友だちを。「最後のパーティ」と自分に言い聞かせるが、それは嘘だとわかっている。トイレにつづく廊下を再びたどり、暗くて汚いビティの宮殿を嘆きの涙で照らすのだ。

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ここに問題あり

Aquí hay avería

ロレンソ‧モンタトーレ

Lorenzo Montatore
ECC Ediciones (El Catálogo del Cómic, S.L.)

病気で余命いくばくもないことを悟った有名漫画家ルンディは、娘と妻が路頭に迷わないよう銀行強盗をやろうと思いつく。報道や彼の伝記で知られている通り、この強盗は失敗に終わりルンディもその中で死んでしまうのだが、娘のエリサが成人した時に、なぜ自分が「国際民間銀行」を襲撃しようとしたのかを伝えるべく彼は漫画を描き残していた。しかし漫画は未完であり、ルンディが残した遺書には、長年、自身のゴーストライターとして絵の手直しをしていたハビエル・アラ(作者)にその完成を託すと記されていた。アラは仕事を引き受けるものの、ルンディを憎むあまり、漫画の内容を膨らませその正体を暴くつもりでいた。

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フリーハンド強盗

Atraco a mano alzada

ハビエル‧アラ

Javier Ara
Editorial Drakul

何年も会っていなかった3人の友人が、地図に描かれた謎のX印を目指し、長い道のりを進んで行く。そんな前提で『Cenizas(灰)』の物語は始まる。出会いとすれ違い、追跡、道沿いのモーテル、バンジョーを弾く髭面のチンピラたち、船の墓場、飲み放題のビール、口論、二日酔い、そして暴力有り官能有り。心揺さぶるロードムービーと、バイオレンス・スリラーが激しく錯綜する。目に見えるとおりのものは何もない。

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Cenizas

アルバロ‧オルティス

Álvaro Ortiz
Astiberri Ediciones

本作『Drácula(ドラキュラ)』は、ブラム・ストーカーの原作を、作者のフェルナンデスが忠実に解釈した上で自由な脚色をもって描いた作品。1982年、クリーピー誌(スペイン語版)に1章ごと掲載され、読者が選ぶ最優秀作品賞を受賞した。イタリア、フランス、ドイツ、米国でも出版されており、一般読者のみならず批評家からも高く評価された。今回、通し番号付きで刊行される特別記念版は、フェルナンデスの手による原画を実際に鑑賞するかのごとくそれぞれのカットを楽しめるようにと、すでに故人である作者の家族が保管していたオリジナルの油彩から印刷された。同様に作家の残した資料の中から発見され家族によって保管されてきた、未発表の鉛筆デッサン6点が今回初めて収録された。作家のマルセル・ミラレスが序文を、著者の息子エクトル・フェルナンデスが跋文を担当。

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ドラキュラ

Drácula

フェルナンド‧フェルナンデス

Fernando Fernández
Ediciones de Arte y Bibliofilia

マルコス・ベーは、自分で漫画の技法を身に付けたガリシア人作家で、主にミステリー、アドベンチャー、ファンタジーものの作品を発表している。大人向けの作品はリアルで細部にまでこだわった劇画調、ユーモラスな作品はシンプルで軽いタッチ、というふうにまったく異なるスタイルで描き分けるのが特徴だ。絵や物語の創作はずっと続けていたが、プロデビュー作は2013年に出版された初の長編漫画『Las aventuras de M&M, El caserón del acantilado (M&Mの冒険、崖の上の豪邸)』。それ以来、「エイ!」や「エクセへシス」などの雑誌で絵を描き、バイーア、エディヌメン、テベオックスなどの出版社とも仕事をするようになった。現在はイラストの仕事を受けながら、冒険物語『M&M』の続編制作など自身のプロジェクトも進めている。

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崖の上の豪邸

El caserón del acantilado

マルコス‧ベー

Marcos Beltrán
Tebeox Editorial

犯罪にまみれ罪悪感にさいなまれる生活を捨て小さな町にやってきたセリア。しかし、新しい暮らしは、隣家の不穏な音と匂いによって邪魔されることになる。彼女は元彼のポールを呼んで隣家の秘密を探ろうとするのだが、ふたりには大きな影が忍び寄っていた。亡霊となって今もなおつきまとう、彼らの共有する悲惨な過去。悪魔がささやく時、傷跡は開き、血はとめどなく流れていく。

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悪魔は我らにささやく

El diablo nos susurra

ゼルカル

Zerkkal
Tebeox Editorial

理論家というより、ルシオ・ウルトゥビアは、断然、行動する男。彼の人生は、戦いに次ぐ戦いだった。多くの人の考えに反し、それが彼の遺産であり、ルシオの宝だ。ナバラ出身のアナキスト、ルシオ・ウルトゥビアとの尽きることのない会話やインタビューに基づいて、作者のベラッツは、ルシオの人生に影響を与えた行動、場所、人物、出来事、雰囲気を鮮明かつ綿密に再現する。自身もナバラ州のパンプロナ出身のイラストレーター、ベラッツが、ルシオの公式伝記作家として、最も有名な出来事や、あまり知られていない冒険を語る。カスカンテで送った幼少期、最初の銀行強盗、警察からの逃亡、家族や個人的な問題、有名なシティバンクとの交渉、国境を越える方法など、全て、あるいはほぼ全てが、このアクション満載の本に投影されている。

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ルシオの宝

El tesoro de Lucio

ミケル‧サントス

Mikel Santos
Editorial Txalaparta

サグラダ・ファミリア(聖家族)教会が崩壊し、教会と共に、エルダの中で何かが壊れる。エルダは辛い過去との折り合いをつけるために、神戸からバルセロナに戻るため飛行機に乗る。バルセロナの街角で、当時のルームメートだったジュレスやヒロシとともに過ごした90年代の生活を思い出す。果たして彼女の決断は正しかったのかとの疑問が、今になって彼女をさいなむ。その過去から30年以上逃げてきたが、彼女の青春の何かが残っているだろうか?

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El tiempo de los tres

フィデル‧デ‧トバール

Fidel de Tovar
Norma Editorial, S.A.

1901年に発表された『El tío Gorio(ゴリオおじさん)』は、詩人のホセ・マリア・ガブリエル=イ=ガランの手による数少ない物語の一作。フアン・ルイス・イグレシアス(原作)とホセ・クルス・デ・クルス(作画)は、このガランの代表作を独自のアプローチにより風俗画タッチの漫画に仕上げた。本作では、ガブリエル=イ=ガラン自身が物語の語り手そして主人公として登場し、彼が創作した登場人物、ゴリオおじさんとプリアおばさんという愛と打算で結ばれた夫婦と交流する。またイ・ガランは、エミリア・パルド・バサン、ベニート・ペレス・ガルドスという他のふたりの文学者と寄り集い文学芸術について考察し内輪話を回想していく。その会話を通じイ=ガランが批判と情愛のはざまで同胞たちをどのように見ていたのかが本作では描かれている。2020年に生誕150年を迎えたスペイン語とエストレマドゥーラ語の魂の詩人、ホセ・マリア・ガブリエル=イ=ガランへのオマージュ。

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ガブリエル=イ=ガランのゴリオおじさんとプリアおじさん

El tío Gorio y la tía Pulía de Gabriel y Galán

フアン‧ルイス‧イグレシアス

Juan Luis Iglesias
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犬や羊たちとともに気楽で波風のない人生を歩んでいるひとりの羊飼い。彼はまだ、金とラム酒に飢えた世界に自らを引きずりこむ見えない力があることに気づいていない。そう、彼はまだ、自らをその存在の深淵まで連れて行き、自分自身を映し出す、すなわち、本当の自分の底に向き合わせる悪魔の契約を認知できていないのだ・・・。

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ロドリゴ‧バスケス

Rodrigo Vázquez
Sallybooks Editorial

1919年1月20日、マドリードのレティーロ公園。著名な小説家ベニート・ペレス・ガルドスは、すでにほとんど視力を失い、体も不自由だったが、彼の栄誉を称える記念碑の落成式に出席する。その夜、銅像の足元で男性が喉を切られて死亡し、犯人は他でもないガルドスの看護師エレナだった。10年前、ガルドスは迷子になっているところを発見された。老いと失明の影響は大きく、マドリードは抑圧的に感じられた。サンタンデールに逃げられないときは、記憶の中に逃げ込んで自分を慰めた。エレナ・ミデレスと出会ったのはそんな時だった。彼女は不幸な境遇で、ラ・ミセリア(不幸な女)とあだ名がついていた。ガルドスは彼女を保護者としてひきとる。エレナの人生は、まさにガルドス風で、ガルドスの小説そのものだった。それぞれの人生、実らなかった恋愛、経済的苦境の思い出を共有しながら、狂暴な舞台のように、抑圧的に迫りくるマドリードをふたりは歩き回る。

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ガルドスとラ‧ミセリア(不幸な女)

Galdós y la Miseria

エル‧トレス

El Torres
Nuevo Nueve Editores

約50年前に「ドシエ・ネグロ」や「S.O.S.」などの怪奇ミステリー雑誌に掲載された、巨匠ジョアン・ボアのホラー漫画20作をアレタ出版が復刻。それらの中には、H・P・ラブクラフトやフランツ・カフカ、アーサー・コナン・ドイル、グスタボ・アドルフォ・ベッケール、エドガー・アラン・ポーの名作に基づく作品も含まれている。カバー絵もジョアン・ボアにより新たに描かれ、ホラー界最高の巨匠たちの作品を集めた決定版にふさわしいものとなっている。

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怪奇ものの傑作たち

Grandes de lo macabro

ジョアン‧ボア

Joan Boix
Grupo Editorial Sargantana

ビティは、麻薬に侵されている。罪深い魔法使いの衣装、紫と悪徳を身にまとい、髪の毛には火がついている。口はない。だって、聖域のトイレで、聖体拝領をするのには目がひとつあればいいから。夜、金色の流れに引きずられ、黄色い妄想にとりつかれて現れ、悲愴な面持ちで一瞬立ち止まって星を眺める。液体や思い出が浮かび上がる。たった一滴のしずくが、ビティの青春を曇らせた。そしてそこで、ビティは友だちを待ち続けている。さよならも言わず永遠に行ってしまった友だちを。「最後のパーティ」と自分に言い聞かせるが、それは嘘だとわかっている。トイレにつづく廊下を再びたどり、暗くて汚いビティの宮殿を嘆きの涙で照らすのだ。

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ロレンソ‧モンタトーレ

Lorenzo Montatore
ECC Ediciones (El Catálogo del Cómic, S.L.)

病気で余命いくばくもないことを悟った有名漫画家ルンディは、娘と妻が路頭に迷わないよう銀行強盗をやろうと思いつく。報道や彼の伝記で知られている通り、この強盗は失敗に終わりルンディもその中で死んでしまうのだが、娘のエリサが成人した時に、なぜ自分が「国際民間銀行」を襲撃しようとしたのかを伝えるべく彼は漫画を描き残していた。しかし漫画は未完であり、ルンディが残した遺書には、長年、自身のゴーストライターとして絵の手直しをしていたハビエル・アラ(作者)にその完成を託すと記されていた。アラは仕事を引き受けるものの、ルンディを憎むあまり、漫画の内容を膨らませその正体を暴くつもりでいた。

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フリーハンド強盗

Atraco a mano alzada

ハビエル‧アラ

Javier Ara
Editorial Drakul

何年も会っていなかった3人の友人が、地図に描かれた謎のX印を目指し、長い道のりを進んで行く。そんな前提で『Cenizas(灰)』の物語は始まる。出会いとすれ違い、追跡、道沿いのモーテル、バンジョーを弾く髭面のチンピラたち、船の墓場、飲み放題のビール、口論、二日酔い、そして暴力有り官能有り。心揺さぶるロードムービーと、バイオレンス・スリラーが激しく錯綜する。目に見えるとおりのものは何もない。

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アルバロ‧オルティス

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本作『Drácula(ドラキュラ)』は、ブラム・ストーカーの原作を、作者のフェルナンデスが忠実に解釈した上で自由な脚色をもって描いた作品。1982年、クリーピー誌(スペイン語版)に1章ごと掲載され、読者が選ぶ最優秀作品賞を受賞した。イタリア、フランス、ドイツ、米国でも出版されており、一般読者のみならず批評家からも高く評価された。今回、通し番号付きで刊行される特別記念版は、フェルナンデスの手による原画を実際に鑑賞するかのごとくそれぞれのカットを楽しめるようにと、すでに故人である作者の家族が保管していたオリジナルの油彩から印刷された。同様に作家の残した資料の中から発見され家族によって保管されてきた、未発表の鉛筆デッサン6点が今回初めて収録された。作家のマルセル・ミラレスが序文を、著者の息子エクトル・フェルナンデスが跋文を担当。

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ドラキュラ

Drácula

フェルナンド‧フェルナンデス

Fernando Fernández
Ediciones de Arte y Bibliofilia

マルコス・ベーは、自分で漫画の技法を身に付けたガリシア人作家で、主にミステリー、アドベンチャー、ファンタジーものの作品を発表している。大人向けの作品はリアルで細部にまでこだわった劇画調、ユーモラスな作品はシンプルで軽いタッチ、というふうにまったく異なるスタイルで描き分けるのが特徴だ。絵や物語の創作はずっと続けていたが、プロデビュー作は2013年に出版された初の長編漫画『Las aventuras de M&M, El caserón del acantilado (M&Mの冒険、崖の上の豪邸)』。それ以来、「エイ!」や「エクセへシス」などの雑誌で絵を描き、バイーア、エディヌメン、テベオックスなどの出版社とも仕事をするようになった。現在はイラストの仕事を受けながら、冒険物語『M&M』の続編制作など自身のプロジェクトも進めている。

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崖の上の豪邸

El caserón del acantilado

マルコス‧ベー

Marcos Beltrán
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犯罪にまみれ罪悪感にさいなまれる生活を捨て小さな町にやってきたセリア。しかし、新しい暮らしは、隣家の不穏な音と匂いによって邪魔されることになる。彼女は元彼のポールを呼んで隣家の秘密を探ろうとするのだが、ふたりには大きな影が忍び寄っていた。亡霊となって今もなおつきまとう、彼らの共有する悲惨な過去。悪魔がささやく時、傷跡は開き、血はとめどなく流れていく。

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悪魔は我らにささやく

El diablo nos susurra

ゼルカル

Zerkkal
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理論家というより、ルシオ・ウルトゥビアは、断然、行動する男。彼の人生は、戦いに次ぐ戦いだった。多くの人の考えに反し、それが彼の遺産であり、ルシオの宝だ。ナバラ出身のアナキスト、ルシオ・ウルトゥビアとの尽きることのない会話やインタビューに基づいて、作者のベラッツは、ルシオの人生に影響を与えた行動、場所、人物、出来事、雰囲気を鮮明かつ綿密に再現する。自身もナバラ州のパンプロナ出身のイラストレーター、ベラッツが、ルシオの公式伝記作家として、最も有名な出来事や、あまり知られていない冒険を語る。カスカンテで送った幼少期、最初の銀行強盗、警察からの逃亡、家族や個人的な問題、有名なシティバンクとの交渉、国境を越える方法など、全て、あるいはほぼ全てが、このアクション満載の本に投影されている。

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ルシオの宝

El tesoro de Lucio

ミケル‧サントス

Mikel Santos
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サグラダ・ファミリア(聖家族)教会が崩壊し、教会と共に、エルダの中で何かが壊れる。エルダは辛い過去との折り合いをつけるために、神戸からバルセロナに戻るため飛行機に乗る。バルセロナの街角で、当時のルームメートだったジュレスやヒロシとともに過ごした90年代の生活を思い出す。果たして彼女の決断は正しかったのかとの疑問が、今になって彼女をさいなむ。その過去から30年以上逃げてきたが、彼女の青春の何かが残っているだろうか?

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El tiempo de los tres

フィデル‧デ‧トバール

Fidel de Tovar
Norma Editorial, S.A.

1901年に発表された『El tío Gorio(ゴリオおじさん)』は、詩人のホセ・マリア・ガブリエル=イ=ガランの手による数少ない物語の一作。フアン・ルイス・イグレシアス(原作)とホセ・クルス・デ・クルス(作画)は、このガランの代表作を独自のアプローチにより風俗画タッチの漫画に仕上げた。本作では、ガブリエル=イ=ガラン自身が物語の語り手そして主人公として登場し、彼が創作した登場人物、ゴリオおじさんとプリアおばさんという愛と打算で結ばれた夫婦と交流する。またイ・ガランは、エミリア・パルド・バサン、ベニート・ペレス・ガルドスという他のふたりの文学者と寄り集い文学芸術について考察し内輪話を回想していく。その会話を通じイ=ガランが批判と情愛のはざまで同胞たちをどのように見ていたのかが本作では描かれている。2020年に生誕150年を迎えたスペイン語とエストレマドゥーラ語の魂の詩人、ホセ・マリア・ガブリエル=イ=ガランへのオマージュ。

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ガブリエル=イ=ガランのゴリオおじさんとプリアおじさん

El tío Gorio y la tía Pulía de Gabriel y Galán

フアン‧ルイス‧イグレシアス

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犬や羊たちとともに気楽で波風のない人生を歩んでいるひとりの羊飼い。彼はまだ、金とラム酒に飢えた世界に自らを引きずりこむ見えない力があることに気づいていない。そう、彼はまだ、自らをその存在の深淵まで連れて行き、自分自身を映し出す、すなわち、本当の自分の底に向き合わせる悪魔の契約を認知できていないのだ・・・。

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ロドリゴ‧バスケス

Rodrigo Vázquez
Sallybooks Editorial

1919年1月20日、マドリードのレティーロ公園。著名な小説家ベニート・ペレス・ガルドスは、すでにほとんど視力を失い、体も不自由だったが、彼の栄誉を称える記念碑の落成式に出席する。その夜、銅像の足元で男性が喉を切られて死亡し、犯人は他でもないガルドスの看護師エレナだった。10年前、ガルドスは迷子になっているところを発見された。老いと失明の影響は大きく、マドリードは抑圧的に感じられた。サンタンデールに逃げられないときは、記憶の中に逃げ込んで自分を慰めた。エレナ・ミデレスと出会ったのはそんな時だった。彼女は不幸な境遇で、ラ・ミセリア(不幸な女)とあだ名がついていた。ガルドスは彼女を保護者としてひきとる。エレナの人生は、まさにガルドス風で、ガルドスの小説そのものだった。それぞれの人生、実らなかった恋愛、経済的苦境の思い出を共有しながら、狂暴な舞台のように、抑圧的に迫りくるマドリードをふたりは歩き回る。

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ガルドスとラ‧ミセリア(不幸な女)

Galdós y la Miseria

エル‧トレス

El Torres
Nuevo Nueve Editores

約50年前に「ドシエ・ネグロ」や「S.O.S.」などの怪奇ミステリー雑誌に掲載された、巨匠ジョアン・ボアのホラー漫画20作をアレタ出版が復刻。それらの中には、H・P・ラブクラフトやフランツ・カフカ、アーサー・コナン・ドイル、グスタボ・アドルフォ・ベッケール、エドガー・アラン・ポーの名作に基づく作品も含まれている。カバー絵もジョアン・ボアにより新たに描かれ、ホラー界最高の巨匠たちの作品を集めた決定版にふさわしいものとなっている。

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怪奇ものの傑作たち

Grandes de lo macabro

ジョアン‧ボア

Joan Boix
Grupo Editorial Sargantana