バネッサは雲の中で生きているかのように夢見がちな現代の王女様。バビア王国でキリンや魔女やシャボン玉と暮らしている。結婚する年頃になると、両親はそわそわしはじめた。そこで名付け親の妖精は、王女に求婚する者は、なぞなぞを解かなければならないという条件を付けてはどうかと提案する。彼女の婿になるには、少なくとも想像力が豊かでなければならない。けれど、物事は思い通りにいくとは限らないのだ。
先住民のとある集落。シェップがナイフで親指の先を切ってしまい仕事は中断する。その出来事が偶発的な事故であることを疑問視する者は誰もいない。男も女も自分の役割を甘受し、それに疑問を抱く者はいない。若者シェップも同じだ。誰も何も自らに問うことをしない。先住民居留地では暮らしが変わることなく続き、彼らがとらわれている空間では、偶然と運命の間、あきらめとより良い生活の可能性の間を時間が流れていく。そんなとき、最初の白人が現れる。
苦悩するひとりの忍者。隠された陰謀。危険な使命。不滅の作品。1689年、高名な俳人、松尾芭蕉が仙台藩に向けて旅立ち、彼の最も有名な作品となる「おくのほそ道」が生まれる。だが芭蕉は、実際には清算すべき過去を抱えたもの憂げな忍者だったこと、そしてその旅には、日本の最大の政治的陰謀のひとつが渦巻いていたことをだれも知らない。復讐を目指す一派と徳川幕府のよこしまな幕僚たちが暗躍し、大きな犠牲を払い、血を流してやっと手に入れた平穏が揺らぐことになる。将軍家の重鎮は、日本を支配しようとしている。
当時彼らは20歳を少し過ぎた頃だった。クローネン・バルに集合して、セックス、アルコール、ドラッグで若いエネルギーを発散していた友達グループ。ときには、命を危険にさらすほどの馬鹿をすることもあり、そのおふざけが過ぎてとんでもない結果を招いた者もいた。それから長い時が経った。ちょうど25年だ。今彼らは仕事をし、暮らし向きも悪くない。結婚して、子供がいる者もいる。ドラッグをやる者はほとんどいないし、酔っぱらってどんちゃん騒ぎをする代わりにワインをたしなんでいる。
みなさん、残念なお知らせです!鼻水は病気ではありません。鼻水が出ても学校に行けます。鼻水は、とくに寒い季節にわたしたちの中にすみ、喜んで学校へもついて来て、鼻にしがみついてどんな病気からも守ってくれます。鼻水はちょっと嫌かもしれませんが、わたしたちの健康にとっては重要な防衛装置です。じっさい、鼻水はスーパーヒーローなのです!
ライモンはラジオのために物語を書き、弟のブライと一緒に暮らしている。ブライは小さいころ森で起こった事故のせいで情緒不安定だ。今は作業所で働きながら質素な暮らしをしている。ある日ライモンは、いつも彼の物語をラジオで聞いているという年配の女性セリアから奇妙な依頼を受ける。彼女の回想録を書くために彼を雇いたいというのだ。「あなたの物語が私の人生をこんなにもうまく説明してくれるとは想像もしませんでした」。その女性は、自分の全人生を再現して書いてほしいと頼む。
1916年、フランス・ヴェルダン。第一次世界大戦が勃発したとき、イレーヌ・キュリーは可能な限り前線に近づこうとした。多くの命を救うことに役立つことを信じ、彼女と母親のマリー・キュリーが考案したポータブル機器を使った放射線医学を野戦病院の外科医たちに伝えようと努める。バールルデュックの病院に滞在し、兵士、医師、同僚たちの尊敬を勝ち取るために闘いはじめた。ドイツ軍がヴェルダンを爆撃し、命を救うためのタイムトライアル・レースがスタートした。
レオは子どもライオン。もうすぐ妹が生まれるのでなんだか気持ちが落ち着かない。友だちもあまり助けにならない。だって妹が生まれたら、今まで持っていた特別待遇がいろいろなくなってしまうなんて言うんだ。妹には、ひげやしっぽを引っ張られたり、かけっこでは勝たせてやったりしなければならないだろう。だって、赤ちゃんが泣くと大人たちはすごく悲しむから。それに、大人たちに怒られたくなければ、赤ちゃんをぜったい泣かせちゃいけない。でも、いちばんイヤなのは、ジャングルの王の王冠を取られることなんだ。
ペドロは男の子だけれど、女の子に見えます。反対に、きょうだいのバレリアは女の子だけど男の子みたいです。学校でふたりはとってもヘンテコな存在です。テーマは学校でのいじめ、性別、学校、家族、変容、容認、共感。
ナディアは夫マルコスとともに購入した家「サ・マレア」の改装工事の進み具合を確認しにイビサに向かう。夫婦は最近しっくりいっていない。子供ができないことを、最初のうちふたりは問題にしていなかったが、今ではそのことをちょくちょく考えてしまう。だからナディアにとって購入した家のリフォームは、ふたりが必要としている平穏を見つけるためのきっかけだった。だがマルコスの気のなさが、ナディアを落ち込ませ、この家の元の持ち主、バレリオ・モンタルバン博士へ興味をそそられる。