ソフィーは森のそばにある家に両親とおじいちゃんと一緒に暮らしている。おじいちゃんは時々姿をくらまし、それが数時間のときもあれば数日にわたることもある。そしてすっかり汚れて、でもすごくうれしそうに帰ってくる。おかしいのはそれだけじゃない、メガネがすごくおかしくて……。おじいちゃんは何を隠してる? 本当は何をしてるの? それがわかった時、ソフィーは次第に大きくなる危険の存在に気づく。夢をこわす者たちがいるのだ……。
元市長ローヘル・ロブスの息子で多種の薬物依存症であるジュニアは、過剰摂取で危うく死にかけたあと、故郷のシエルぺへ戻ることにした。そこで父親が末期がんを宣告されたと知る。偶然にもこのふたつの出来事が重なったこと、そして以前からジュニアが取りつかれている死に対する強迫観念も手伝って、破綻していた父との関係を修復しようとする。小説は病室でふたりが過ごす最後の日々を綴っている。
イラストレーション界のホープ、ベア・エンリケスによるインスピレーションに満ちた驚きの作品。主人公の猫は大胆で勇敢、思慮深いが、ときどきしっちゃかめっちゃかになり、なんといっても夢見がちだ。どこに行っても空想し、必要となるといつでも空想が働く。その空想力のおかげで、主人公は無限の世界を作り出すことになるが、現実は猫の考えるフィクションにまさっていた。この本のとりこになるのはなぜ? 1.いつも夢見ることの大切さをおしえてくれるから。
刻々と時間が過ぎていく中、連続殺人を阻むための唯一の手掛かりは、聖書の謎めいた数節だけだった。カステリョンの町の平穏な日々が、不気味な殺人によって乱される。無残に切り刻まれた男の死体が中心街のアパートに置き去りにされていた。ロマレス警察署長は事件解決のためにバルトロメ・モンフォルト警部に助けを求めた。前作『ファローラ広場の殺人』で語られるように、ふたりはかつてともに捜査したことがあった。被害者の身元特定で、死んだ男は、職業相談所の所長で、かなりの女好きで有名だったことが分かる。
マックスはスーパーヒーローに夢中だ。スーパ―ヒーローの本や映画、戦略型ゲーム、カード、フィギュア、ポスターは宝物で、友だちとよくスーパーヒーローの話をしている。特に気に入っているのはメガパワーだ。メガパワーはとにかくすごい女の子で、コンピューターをプログラミングしたり、爆弾の起爆装置を解除したり、何百万ものロボットを同時に制御したり、超人的な視力や途方もないパワーを持っている。女の子にそんなことをできるはずがないとみんなは言うけれど、そんなのかまわない。
9歳のミアが、大人になるという特別な冒険について語る。思春期に女の子の体はどう変化するの? 胸は? ブラジャーは? 脱毛って? 生理って? タンポンって? 主治医の小児科の先生がミアの疑問にすべて答えてくれる。大人になるのはすばらしい冒険で、それはよく知っていればいるほどいい! 内分泌学専門の小児科医が、思春期の変化について書いた本。イラストはクリスティーナ・ロサントス。
ナミビア、コンゴ、セネガル、ルワンダのアフリカ4か国を舞台に、私たちが知らない別の世界の残忍性と活気を生々しく綴った4つの物語。モーターソウルを物語を進める軸として、見えないアフリカの姿について書いた本。虐待、暴力、病気、英雄的行為、宗教、希望、魔力、迷信が、人や家族、コミュニティを繋ぎそして破壊する。「モーターソウルは不可侵の原始的なエネルギーだ。万策尽きた時、最終的に人間を動かす。モーターソウルは私たちをみな同等にし、私たちの意志で操れないが、私たちが最悪の状況に陥った時に現れる。
アンドレスは名前のない都会の街に住む。その街では毎日自殺者が後を絶たない。アンドレスは新聞の日曜版のライターだが、取り上げる記事と言えば低俗でくだらない話題ばかり。独身だが、今の日常を変えてまでパートナーを持つつもりはない。彼は自殺についての記事は書かない。今週のテーマは「高校の時の友人はどうなったか」だ。習慣に忠実なアンドレスは、職務を果たすために自らの過去にどっぷりと浸る。友達や別れた女たちがアンドレスの人生に蘇る。
出産場所が家庭から病院になり、子どもたちはお産を目にしなくなった。粉ミルクは母親による授乳の文化を家庭から追いだしてしまった。現在、学校で与えられるお産に関する情報はあるにはあるが乏しく、家庭で与えられる情報も、社会がお産に対して持つネガティブで不自然な見方の影響を間違いなく受けている。よって出産のプロセスについて、大半の子どもは無知をひけらかし、偏見に満ちた間違った考えを持っている。だからこそ、前衛的な楽しい絵と文で自然な視点から子どもたちにお産のことを話す必要があると私たちは考えた。
主人公はハニフ・クレイシとフィリプ・ロスを敬愛する文学教師で、そのことをモロッコに帰国を決めた友人に日々話している。モロッコはふたりの生まれ故郷で、友人はそこで子どもが育つのを見たいという。主人公は子どもは欲しくないし、愛する女性と暮らす勇気がなく、イスラムにムスリムが徴兵されることをうけいれられない。また自分のセックス中毒を抑えることが出来ず、満足感を得ることがない。ふたつの文化に自分が引き裂かれているとは思わないし、モロッコには帰るつもりはない。