日本市場向けに専門家が選んだスペインの新刊書籍をお届けします。
今回は以下の専門家の方々に選んでいただきました。それぞれのお名前をクリックすると書籍紹介ビデオをご覧いただけます。:
野谷文昭(選考委員長:東京大学名誉教授・名古屋外国語大学名誉教授)(以下あいうえお順/敬称略) 越前敏弥 (文芸翻訳者)/榎本麻衣子(フォルトゥーナ、代表取締役社長)/廣瀬覚 (水声社、編集者)/山口侑紀 (花伝社、編集者)
各書籍のレポートを担当したのは以下の方々です(あいうえお順/敬称略、最終選考で選ばれなかった書籍のレポート作成者も含みます)
井原美穂/上野貴彦/宇野和美/國貞雅俊/笠原未来歩/佐藤晶子/嶋田真美/白川貴子/轟 志津香/長神末央子/中山 映/平野麻紗/宮崎真紀/村岡直子/村田名津子/矢野真弓/横田佐知子/吉田 恵
客の到着を待ちながら携帯でお喋りするふたりの少⼥。通りでは発砲⾳や爆発⾳がしている。ある⽇テレビが彼⼥たちに話し始め、逃げるよう促す。100キロの重さがあり、DNAのレベルまで溶け込む着脱テクノロジーのお陰でブッダのなりをしてウェイターをつとめる哀れな悪魔。着ぐるみを制御するソフトウェアが機能しなくなった時に問題が⽣じる。ある⼤⾂は都市計画にまつわる不正⾏為を働くよう指⽰をうけるが、実はもっとうさんくさい別物だった。
地下35メートルの深さに、マドリードで最も厳重に隠されてきた秘密がある。90トンのゴールドとその他計り知れない価値がある財宝。それは、特別なセキュリティー(装甲板の扉、堀、破ることのできないセキュリティ・システム…)で守られている。そこに入ろうと試みたものは誰もいない。いくつもの前代未聞の信じがたい盗みの容疑者で、イタリアで引退中の「ラ・ガタ(雌猫)」でさえも、それをしようなどとは考えなかった。しかし、状況が変わった。
⽇本⾵の怪獣ゴルシラが、仏教僧の純粋さと、無政府主義者の強さと、ふたつの脳より⼤きな⼼でスペインを旅する。寓話と社会的クロニクルの間で、オリウエラはこの主⼈公を冗談好きで⽪⾁屋のオルター・エゴ(別⼈格)として使う。この⼩説は他者と自己の境界を分けるアイデンティティについての考察であり、掟、シンボル、⽂化的価値観を⼀掃しようとする試みである。掟、シンボル、⽂化的価値観の中に深く根を下ろした社会は、帰属と集団⽣活のシステムに従わせるには好都合だが、同時に虚偽に満ちている。
Occidente, llorarás por mí (⻄洋よ、お前は俺のせいで泣くことになる)は、⼩さな事件が発端となり、徐々に史上最⼤のジハーディスト(イスラム過激派)の脅威を明るみに出していく捜査を描いた推理⼩説。当初、型どおりの確認作業をしていた⼩さな事件が、氷山が少しずつ姿を現すかのように、国際的にも影響を与えるとんでもない様相を⾒せていく。政府の秘密情報部員という厳しい仕事で鍛え抜かれた主⼈公、ミゲル・アギーレがこの難事件の解決に挑む。
マルタはごく普通の13歳の⼥の⼦。何ひとつ変わったことの起きない、ベツリアという⼩国に住んでいる。興味があるのはその年代のほかの⼦たちと同じ(ユーフォリアという⾳楽グループや、友だちと遊びに出かけること)で、政治なんて死ぬほど退屈と思っていた。ところが究極のライバル、エクトル・ルフィアン・ジュニアに対抗心を燃やして学校の⽣徒会⻑に⽴候補したことから事態は⼀変する。