おやすみ前、主人公の女の子はいった。あたしのベッドにウシがいるの。そんなことってある? お父さんが部屋に行くと、そこにはだれもいない。「それは今、ウシがゾウやアヒルと一緒にかくれんぼしてるからよ、パパ」おやすみ前の楽しいお話。これはほんとに、全部女の子が想像したことなのかな?
文学や映画はこれまで数多くの架空の登場人物を生み出してきた。中でも「魔性の女」タイプの人物は、トロヤ戦争の原因を作ったとされる移り気なヘレネや全人類に罰をもたらした軽率なイブなど、古くはギリシャ神話や聖書にも登場するほど長い歴史があるが、この200年で特に登場頻度が高く変遷も激しい。
マリア・マルティノン=トレスは、本書を通じ読者を生物学の漆黒の闇の片隅にまで誘い込み、われわれが不完全であるというレッテルを貼ってしまったことで、ホモ・サピエンスの優れた適応力の重要な側面が隠されてきたことを明らかにする。進化論に照らし合わせると、ガン、感染症、免疫系障害、不安、心血管事故、神経変性疾患、老化、死に対する恐怖といった人間の大きな病は、変化する世の中で生き残ろうとする人類という種の闘いの変遷を物語るものだというのだ。
殴り書きという意味の名を持つガラバトは、鉛筆の先っちょに住んでいる。すごく臆病で、隠れ場所から出たがらないのは、自分に欠点があると感じてるからだ。だって一日中、素晴らしい形が描かれていくのを見てるんだもの。でもある日、鉛筆のおかげでガラバトは気づいた。円や四角みたいに完ぺきじゃなくても、独特な存在にはなれる。だって不・完全であることは、なりたい自分を見つけるチャンスということだから。私たちはみんな違っているから、みんな不完全なんだということを教えてくれる寓話。
狩猟シーズンがまもなく終わろうとしているある日の夜明け前。飼い犬を連れて、ひとりの男が狩りに出かける。出発していくらもしないうちに、なぜか彼らの車は高速道路の真ん中で突然停車し、やがて近づいてきたまぶしい光線に車ごと吸い込まれてしまう。男についての消息がないまま1か月が過ぎ、男が戻ってくる。しかし、彼はすっかり変わっていた。世界の男たちを性転換するという使命を帯びたエイリアンたちが、彼の体と心を女性のものに変えてしまったのだ。
社会学の入門書。冒頭において、社会学の視点が一般常識とは異なる点を指摘し、社会科学の方法論を用いて、なぜ物事がそのようになるのかを説明している。つまり、社会学は社会の現実やある社会現象がどのようなものかを書き記すだけでなく、社会的な出来事や現象に対する説明を見出そうとするものなのだ。社会学はその始まり以来、社会の現実を客観的に研究し、社会生活の規則性や法則を発見するという科学的な意図を有してきた。
ジョンとジェイムズはジャックの父さん。そして失踪中だ。でも彼女はすでに、ふたりを見つける計画を立てている。そのために友だち、つまり人魚のクラケン、ドルイド教の司祭を目指すエレチョ、カングレホ島の幽霊オリベルの助けを借りるつもり。こうしてわくわくする島の旅が始まった。雲を突っ切り、溶岩の砂漠を歩き、火山の噴火口によじ登り、ドラゴンの背に乗って飛ぶんだ。
サバテル・ピの物語はまるで小説のようだ。しかし事実である。17歳でアフリカに渡り、30年後にバルセロナに戻ってきた彼は、学位すら有していなかったが、世界で最も有名な霊長類学者のひとりとなった。サバテルは、学問の世界を超え、学界に普及していた人類の概念を書き替えてしまうほどの貢献をした。彼の経歴は、好奇心と粘り強さ、そして自然に対する敬意に満ちている。また、自らをフンボルトやダーウィンの後継者であると公言していたが、彼らと同じような科学的探求へのロマンに満ちていた。