ジョンとジェイムズはジャックの父さん。そして失踪中だ。でも彼女はすでに、ふたりを見つける計画を立てている。そのために友だち、つまり人魚のクラケン、ドルイド教の司祭を目指すエレチョ、カングレホ島の幽霊オリベルの助けを借りるつもり。こうしてわくわくする島の旅が始まった。雲を突っ切り、溶岩の砂漠を歩き、火山の噴火口によじ登り、ドラゴンの背に乗って飛ぶんだ。
サバテル・ピの物語はまるで小説のようだ。しかし事実である。17歳でアフリカに渡り、30年後にバルセロナに戻ってきた彼は、学位すら有していなかったが、世界で最も有名な霊長類学者のひとりとなった。サバテルは、学問の世界を超え、学界に普及していた人類の概念を書き替えてしまうほどの貢献をした。彼の経歴は、好奇心と粘り強さ、そして自然に対する敬意に満ちている。また、自らをフンボルトやダーウィンの後継者であると公言していたが、彼らと同じような科学的探求へのロマンに満ちていた。