本書Cançons d'amor i de pluja(愛と雨の歌)に収められている25の物語は、熟年の傷つきやすさとくだらない習慣に関しての想いと考察がアンサンブルのように構成されている。セルジ・パミエスは簡潔で力強い文体で、典型的ロマンチシズムの紋切型と、感情的心気症の束縛を解釈しなおす。浄化され抑制された散文と文体が、辛辣さとバイタリティとメランコリーの間でのバランスを模索する。
赤道ギニアの独立宣言の翌日、フェルナンド・ポー島サンタ・イサベルの黒人地区付近で、街のスペイン人コミュニティのリーダー格、パブロ・モンテシノスの死体が発見された。どう見ても自然死と思われたが、治安警備隊に配属された、書類整理担当の役人が、糸口をさぐり始める……。このように始まる本書は、かの地におけるスペイン人の最後の数か月と、非植民地化プロセスの失敗を描く。無責任な政府の決定、経済的利害、人種間・男女間の差別……そして祖国喪失、亡命、悲恋、失われた楽園の物語だ。
女神と牝牛と初恋が交錯する物語。北部の街でのひと夏と、性の発見についてのリアリスティックですばらしい物語。青年ルディ・リベロは父親が予防拘禁されているので、この夏、指図する者がおらず自由を謳歌している。彼の父は政治活動がきっかけで告発されただけでなく、女性関係もややこしい。そして息子であるルディも似たような蜘蛛の巣にからめとられていく。夏の間に、ルディは大人への一歩を踏み出す。けだるい雰囲気の美しい女が、先の見えない、だが甘美な愛への未知の旅にルディを導く。
ペレスねずみってだれか知っている? ひつじが眠らないのはなぜ? くりの実がどんなにたくさんのことに役立つかわかるかな? おやすみのキスをしてもらいながら、そんなたくさんのことをお話してくれる本。寝る前に読む短い物語集で、字を読み始めて間もない子どもたちを、毎晩ベッドに入る間際の5分間、夢の世界にさそってくれる。なかなか寝ようとしない小さな子どもを持つ、すべての親に欠かせない本。親しみやすい登場人物たちと楽しく愛情のこもったストーリー、そしておやすみのキスが基調になっている。