ビーグル号は1831年にイギリスを出港し、世界をめぐり、歴史をぬりかえる旅をすることとなる。その船には、22歳の若きナチュラリスト、チャールズ・ダーウィンと、15歳の見習い水夫シム・コヴィントンがのりこんでいた。シムは、ダーウィンのために動物を捕獲したり、剥製にしたり、カードを作ったりする手伝いをする。二人はジャングルに分け入り、地震や火山の爆発にあい、それまで知られていなかった動植物を見つけ、進化理論を形にしていく。
ラ・マシア(FCバルセロナの育成組織)の種を植えた老人は誰だったか? そして丹念に世話をし、その種の成長を助けた親とは? そして今、相続者としてその実りの収穫をするのは誰? ラ・マシアの特徴となっている哲学は? 世界最高のサッカー選手を育てあげるために、育成選手たちに何を伝授するのか?
セバスティアン・コルバドは、義理の母親が働く領主の屋敷にこもりきりで暮らしている。めったに外に出ないが、めずらしく外出したある日、若かりし日のディエゴ・ベラスケスと知り合い、友だちになる。また、主人から虐待されている奴隷の少女と親しくなり、恋をして、彼女を自由にしてやろうと決心する。
私の部屋にはあなぼこがあって、私はその穴に学校で作った厚紙の望遠鏡をつっこんで見るのが好きだ。望遠鏡を通して、あらゆる種類の空想の動物が見える。私の友達のフアンも、ちがっている…。
とある4月の土曜日の夜明け、スペイン南部の小さな村。その家に住む老女が亡くなっているのを見つけた家人の悲鳴で家じゅうが目を覚ます。それから何時間かにわたって、家の扉が弔問客に開かれる。会話と中傷、家族と近所の人々、涙と再会、花と祈り、人、たくさんの人。良きにつけ悪しきにつけ、いやがおうにもつきあわざるをえない村人たちの人生が投影される。
動物園につながれているのがいやになった1頭のカバが、故郷のアフリカに帰ることにする。何人かに助けてもらって動物園の外に出るが、なによりびっくりしたことに、自由になったカバを見ても、だれひとり――動物園の職員も、通りをいく通行人も、店員も、ピザやのウェイターも――おかしいと思わない。
縫い子だったシラ・キロガはスペイン市民戦争を逃れて恋人ラミロと一緒にモロッコへ逃げる。浮草のような生活の中でラミロは金を使い果たし、シラを捨てる。この時点からシラの人生は紆余曲折をたどる。警察に目をつけられないようテトゥアンで再び縫い子となり、顧客の有力者の夫人方をうまくいなしつつ英国政府のスパイとして二重生活を送る。そんなある日、別人になりすましてマドリードへ戻り、顧客のドイツ人たちの情報収集をせよとの命令を受ける。