一連のアーサー王物語の初のスペイン語完全再話版。アーサー王伝説を載せている様々な文学作品を基にする。著者アントニ・ダルマサスが、中世の叙事詩を読みやすい現代語に書きかえ、ペラ・ジナルドのすばらしい絵が当時の雰囲気と登場人物を見事に再現。
ロジャー・マーフィーはすべてを持っていた。マリーナ地区のすばらしいマンション、世界一の犬、サンフランシスコの新聞の中でも、最もよく人びとの話題にのぼる新聞のコラム欄。しかし、大地が揺れ始めたとき、すべてを失い、突然、生きのびるための戦いのただ中におかれる。崖っぷちに立ったとき、ヴィクトール・フランクルが彼の人生に入りこみ、生き方を変容させた。
1本の線が主人公のユニークな本。ある日、鉛筆で書かれたただの線が、方眼ノートの上を動き回るのにうんざりし、教室から抜け出すことにした。自由な世界に飛び出して、気分は最高! こうして線は町にたどりつき、高い山に登り、海を知り、恐ろしい海賊に出くわす。そこで読者は、物語の本当の主人公がレオナルドという名の少年だということに気づく。レオナルドは授業中に想像の世界に羽ばたいて、クラスメートが書き方の練習をしているあいだに、冒険の旅に出かけるのだ。
19世紀の英国とキューバとの間で展開する禁断の愛と、情熱的な冒険。 マリア・レスカノの穏やかな人生は、養子である兄エリックに恋していると気付いた19歳のときに大激震する。 それは、1870年のイギリスでは白い目で見られる行為だった……。エリックもまた、彼女への恋心を自覚し、家を出る決心をする。彼が出て行って、マリアと両親の心は千々に砕けた。そんなとき、アレハンドロ・モンテネグロが彼女の人生に登場する。これはおそらくマリアがエリックを忘れるために待っていたチャンスかもしれない。
没後3世紀半にして初めて、ベラスケスが「語る」。ガリシア出身の歴史家で、美術史学博士のフランシスコ・シングールは、セビーリャ生まれの偉大な画家ベラスケスの伝記を再構築するという難題に挑戦した。このディエゴ・ベラスケスの回想録は、正確な出典をもとに、控えめでありながらかつ真実を明かす語り口で書かれ、ベラスケス絵画の手がかりと、彼の思考の内奥を読者に伝え、17世紀スペインを忠実に描写した作品でもある。「内気で、プライバシーを大切にした画家の分析・伝記。
読んだ人の心からいつまでも離れない、独特で意表を突く、自由で個性的な一冊。翻訳者である語り手は最近、講演を行うため日本を訪れた際、18世紀の風変わりな思想家、キンダイチ・ヒロシの考え方と人物像を知る。
若き精神科医ヘルマン・ベラスケスは1939年に亡命し、スイスでドクター・ゴールドスタイン家に迎え入れられ15年を過ごした後、1954年、シエンポスエロスの女性精神病院で働くためスペインに戻る。ヘルマンはそこで、とても知能が高い偏執狂的殺人犯・アウロラ・ロドリゲス=カルバリェイラと再会し、また、若い助手マリアと出会う。マリアに惹かれたヘルマンは、彼女に拒絶される訳が理解できず、彼女の人生には多くの秘密が隠されているのではと感じる。
6歳以上の子ども向け絵本。様々なバージョンのある口承伝説を下敷きにしている。死も人生の一部だということを子どもたちに教えてくれる本。ジャックの母さんは重い病気で、もはや生よりは死のほうに近づいている。浜辺で泣いていたジャックは、母さんを迎えに来た死神と出会う。そこでジャックは死神をだまし、瓶のなかに閉じ込めて素早くふたを閉めることに成功した。それ以来人も動物も、植物も死ななくなる。世界は大混乱に陥り、ジャックは母さんから、死神を外に出すよう諭される。
心に悩みを抱えた母親が夜間飛行機で破廉恥な誘惑に負ける。少女が天井にある何気ない光の環が隠す残虐な謎を暴露する。女性精神科医が、ある世代全体が共有する集団的恐怖を内包する顕著な恐怖症の症状を発見する。退屈な生活から逃れるために悪事を働く若者のグループ。テロリストの父親に対する娘の無意味な復讐。夢ばかり追っている恋人のよこしまで皮肉な態度。戦争の残酷さに対する女性の不毛な英雄物語。それらが、本作を構成する9つの物語に登場するいくつかのテーマ。
15歳の少年オメロはバルセロナの裕福な家庭のひとり息子だったが内戦でひとりぼっちになり、人生が一変してしまう。それは生存をかけた戦い、そして孤独と自分探しの戦いだった。父親の形跡を追うために力の限りを尽くすが、脳裏には野性的なクロエの姿が常にあった。農民の彼女はオメロの命の恩人で、生涯忘れられない存在になる。自分探しの旅の途中で、ロバート・キャパやヘミングウェイ、ヒトラー、あるいはマチャードといった著名人ともすれ違いながら、少年はスペインの歴史の中を歩んでいく。