没後3世紀半にして初めて、ベラスケスが「語る」。ガリシア出身の歴史家で、美術史学博士のフランシスコ・シングールは、セビーリャ生まれの偉大な画家ベラスケスの伝記を再構築するという難題に挑戦した。このディエゴ・ベラスケスの回想録は、正確な出典をもとに、控えめでありながらかつ真実を明かす語り口で書かれ、ベラスケス絵画の手がかりと、彼の思考の内奥を読者に伝え、17世紀スペインを忠実に描写した作品でもある。「内気で、プライバシーを大切にした画家の分析・伝記。それが今、クリエイティブで、新しく、独創的に取り上げられ研究されて登場する」(ビクトル・ニエト=アルカイデによる序文より)。