俺、ドン・ペドロ・ブランコ、奴隷商人。狂人。巨人かモンスターか。モンゴ・ブランコ。鏡と太陽の偉大なる魔術師。雌鶏の王。海賊。神父。修道士。マラガの場末からアフリカの王座、栄光のハバナからバルセロナの精神病院。ピストル。もし俺がピストルを持ったなら、俺の脳みそで壁を汚すだろう。それは俺のせいだし、俺の罰だ。これは俺の物語だ。カルロス・バルデムが再び筆をとり、伝説となった強烈な実在の人物モンゴ・ブランコの波乱万丈の英雄伝をひっさげ、アクション満載の意欲的で壮大な冒険小説で戻ってきた。
セビーリャ出身の作家ハビエル・プラドは、スペインの神話や伝説、多くの恐ろしい怪物を集めて本書を執筆。我々の祖先を怖がらせた存在は、口頭伝承によって代々伝えられてきた。スペインで一番多いのは人喰い巨人。また子供を静かにさせておくため、大人を煩わせず早く寝かせるために利用される怪物も、スペイン国中で見られる。この「怪奇寓話集」にはたくさんの怪物が次々と登場するが、面白くてむしろ愛らしいもの、奇怪なもの、見事に退廃的なものなど、その外見や振る舞いは様々だ。
「本書は、ある家系の消滅についての、そして、ある暮らし方の破滅についての記録である。選択肢のない人生を生きる人々を追い詰める残酷さ」銃声が響きわたり、山が震える。ピレネー山脈を震撼させた兄弟殺しの物語。1943年、アンドーラ国は近隣のヨーロッパ諸国からふりかかる戦火にどうにか耐えていた。スペインは内戦後の最悪の時期にあり、共和国側の人々が国外に脱出し、ファシズムが君臨していた。フランスはナチスに占領され、ナチスは特にアンドーラの山々の制圧に関心を寄せていた。