本作は「Little red read(リトル・レッド・リード)」で知られるブックチューバー、パトリシア・ガルシアのデビュー作で、スリル満点の青春ファンタジー小説。若いイレーヌは城に閉じこもり、驚異的なパワーを持っていることを秘密にしている。その力は、抑え込んでおかなければ王国中を破壊してしまうほどの力なのだ。けれど、とつぜん戦争が起こり、陰謀の渦に巻き込まれ、家族に危険が迫る。イレーヌは今にも自制を失いそうだ。
信じられないようなガト・ルナの話は、太陽のロレンソと月のカタリーナの愛を語った有名なスペインの童話や童謡を基にした美しい物語。一匹のトカゲを通じ、1本の脚で月と取引する猫のおかげで、暦を狂わせることなく愛が成就します。詩でつづられた物語。カバーに蛍光加工がされており暗闇で光ります。
不安を掻き立てるこれら11編の短編の中には、寓話的な変化をもたらす出来事がある。それは救いのある出来事ではなく恐怖を伴う途方もないものだ。エルビラ・ナバロは、容赦のない明解さで、致命的にゆがんでいく人生を私たちに見せ、また、私たちをも引きずり込む。ナバロを読むことは、恐ろしい影を呼び覚ますことだ。そして夕暮れ時に、よく知っていたはずのものが全く違う顔を見せるように、これらの物語の中で、登場人物は密室、ぬかるみだらけの小島、精神的迷路の中に迷い込む。
若い女教師がアマゾンのジャングルにある学校に転勤になり、自分の本をたくさん持ってやってきた。生徒たちが一番好きなのは、物語を読んでもらうことだった。その後、生徒たちは本をそれぞれの家に持って帰った。母親やおばあちゃんたちは、字が読めないけど、それらの本を興味津々で見つめていた。ジャングルの村の住人たちは、たくさんの伝説を語るのが常だったが、当時若い女教師は、それらがただの伝説だと思っていた。都会と本に慣れた若い教師は、異なった現実と出会い、カルチャーショックを受ける。
若き精神科医ヘルマン・ベラスケスは1939年に亡命し、スイスでドクター・ゴールドスタイン家に迎え入れられ15年を過ごした後、1954年、シエンポスエロスの女性精神病院で働くためスペインに戻る。ヘルマンはそこで、とても知能が高い偏執狂的殺人犯・アウロラ・ロドリゲス=カルバリェイラと再会し、また、若い助手マリアと出会う。マリアに惹かれたヘルマンは、彼女に拒絶される訳が理解できず、彼女の人生には多くの秘密が隠されているのではと感じる。
心に悩みを抱えた母親が夜間飛行機で破廉恥な誘惑に負ける。少女が天井にある何気ない光の環が隠す残虐な謎を暴露する。女性精神科医が、ある世代全体が共有する集団的恐怖を内包する顕著な恐怖症の症状を発見する。退屈な生活から逃れるために悪事を働く若者のグループ。テロリストの父親に対する娘の無意味な復讐。夢ばかり追っている恋人のよこしまで皮肉な態度。戦争の残酷さに対する女性の不毛な英雄物語。それらが、本作を構成する9つの物語に登場するいくつかのテーマ。
本作は、端的にいえば証言集だ。4人の証言者、ウェイター、警察官、新兵、消防士が、1973年9月11日のあの朝をどのように生き、何をしたのかを語る。これに先立つ6月にクーデター未遂があったが、この日、チリ軍部はサルバドール・アジェンデ大統領率いる人民連合政府の政権を、容赦なき暴力ではく奪。本書では、読者には具体的に示されることのない、質問に回答する形式で4つの話が、あのクーデターと時と場所を同じくし、大統領官邸モネダ宮殿を中心に展開する。
15歳のアンドレスは少し前に父フェルナンドを亡くした。フェルナンドは尊敬された警察署長だったが、ビルマニア・ホテルのプールで睡眠薬の過剰摂取で死亡しているのが発見された。自殺に思われた。だが、腑に落ちない点もある。フェルナンドは楽天家で幸せに過ごしていたのに、なぜ自ら命を絶つ必要があるのか? アンドレスは偶然、父の古いパソコンの中に謎のファイルを見つける。その瞬間から、物語は全く逆の方向へ進み始める。アンドレスはどんなことでも起こりうる怪しく危険な世界に立ち向かわざるを得なくなる。
美しさと荒々しさが同居する地域で、豊かさと貧しさ、白人と黒人が、距離を置きながら共存する太平洋の小さな村。その村がダマリスの物語の舞台。ダマリスは、女ざかりの太平洋の黒人女。長年ロへリオと連れ添ってきた。ふたりの白けた関係は子供を求めてのむなしい努力に大いに関係がある。あらゆることを試すが、ダマリスは妊娠しない。すべての希望が絶たれたとき、ダマリスは1匹の雌犬を飼うことになり、新しい夢を見つける。この雌犬との新しく身近な関係が、ダマリスにとって本能と母性について考察させる経験になっていく。
舞台はラ・パルマ島(1850~1946年)。ビリャ・デ・マソの金貸し女ペトラと彼女を取り巻く人々の物語。キューバへの移民を余儀なくした飢饉、ラ・パルマの人々の黄金世紀の絶頂と貧窮、物資不足の疲弊した社会に勃発した左翼思想、共和制への期待、スペイン内戦の残酷さ、反乱軍と生き残りのための彼らの闘い…、それらの史実が、ペトラの物語の過去、現在、未来を取り巻く。一方、彼女は心の中に強い愛を秘めている、限りなく長きにわたって誰にも知られないままに。