ミステリー⼩説家のディエゴ・アルセはスランプに陥っていた。彼を有名にしたデビュー作と同等の、満⾜のいく作品が書けずにいるのだ。周りからの多⼤な圧⼒や失敗作の連続、出版社の悲痛な願いもあり、出世に導いてくれたデビュー作の登場⼈物を再び使った作品を書くことを承諾した。その登場⼈物は「怪物」の異名をもつ精神異常者で、近代都市バルセロナで少⼥たちを誘拐していた。ある夜ディエゴが妻とパーティーに出席している間に7歳の娘アリアドナが誘拐される。
若き日のエドガー・アラン・ポーが養子縁組した家族と住む葬儀屋から2ブロック離れたボストンのモルグ街で、ふたりの女性が惨殺される事件が起きた。隣人のひとりが不当に容疑を受けると、ポーは警察でその無実を証明する。事件を担当するデュパン警部はホルマリンの入ったガラス瓶に入れられていた黒ずくめの服の死人の眼球に驚くとともに、隣人の無実を証明したポーの明晰さにも舌を巻く。真犯人をみつけるため、デュパン警部は彼に捜査チームに入るよう依頼。
もし、15年前にあなた⾃⾝があなたに宛てて書いた⼿紙を受け取ったとしたら? もしその⼿紙の中に宝の隠し場所が記されていたとしたら? 今日の自分がどんなだったか、そして明⽇はどんな自分でいたいのかを、いつでも思い出せるように、未来のあなたが今のあなたに向けてこの本を送ってきたのかもしれない。 ・空欄に自分の生活などを書き込んで出版社に送れば、15年後、大人になったあなたのもとに送り返されてくる。つまり、この本⾃体がタイムカプセルというわけ。
ナタリア・セレソの最初の短編集En las ciudades escondidas (ひなびた町で)に収められた物語を読んだ⼈の⼼には、奇妙なミニマリスト感覚が残る。孤独で難解な登場人物すべてに強く感じられる、秘められた私生活。⼝に出さないこと、失ったことの中に彼らの本当の姿はある。彼らはただ、⽣きている。著者が語るのはそれだ。
客の到着を待ちながら携帯でお喋りするふたりの少⼥。通りでは発砲⾳や爆発⾳がしている。ある⽇テレビが彼⼥たちに話し始め、逃げるよう促す。100キロの重さがあり、DNAのレベルまで溶け込む着脱テクノロジーのお陰でブッダのなりをしてウェイターをつとめる哀れな悪魔。着ぐるみを制御するソフトウェアが機能しなくなった時に問題が⽣じる。ある⼤⾂は都市計画にまつわる不正⾏為を働くよう指⽰をうけるが、実はもっとうさんくさい別物だった。