サバテル・ピの物語はまるで小説のようだ。しかし事実である。17歳でアフリカに渡り、30年後にバルセロナに戻ってきた彼は、学位すら有していなかったが、世界で最も有名な霊長類学者のひとりとなった。サバテルは、学問の世界を超え、学界に普及していた人類の概念を書き替えてしまうほどの貢献をした。彼の経歴は、好奇心と粘り強さ、そして自然に対する敬意に満ちている。また、自らをフンボルトやダーウィンの後継者であると公言していたが、彼らと同じような科学的探求へのロマンに満ちていた。
1803年11月30日、22人の孤児を乗せ、コルベット船「マリア・ピタ号」がア・コルーニャ港を出航した。彼らに託された使命は、発見まもない天然痘ワクチンを自分たちの体で国外に届けることだった。ホセ・サルバニー、イザベル・ゼンダルといった探検家たちが同行し、世界規模の予防接種を目的に編成された、この王立慈善ワクチン遠征隊(1803-1810)は、フランシスコ・ハビエル・バルミス博士が率いたことからバルミス遠征隊とも呼ばれている。
本書は筆者の持つふたつの源泉から生み出された。いずれも同様に重要なもので、ひとつは読書、熟考、同僚との議論。もうひとつは、半世紀近くにわたる多くの調査や評価から培われた経験だ。ネゴシエーションは、調査および評価の中で生じるものである。ここでこのふたつの課程を区別したのは、全ての評価が調査の結果として出てくるものあったとしても、全ての調査が評価に辿り着くというわけではないからだ。探求の形態にはそれぞれ特殊性があり、求められるものは異なる。
ブロックチェーンテクノロジーとその経済に関連したすべての基本的なポイントについて解説している。
量子力学の現実は、未来を先取りする新しいパラダイムだ。
獣脚亜目の恐竜たちは1億3千500万年もの間地球を支配していた。ほとんどが肉食の獣脚亜目に、私たちは畏敬をこめた恐れを抱きつつも魅せられる。直系の子孫は現在では鳥類として世界中の大陸で私たちと共存している。本書はこれまでに出版された獣脚亜目の記録の中で、最も詳細で厳密な書籍である。2000以上の図解や説明図と、300以上のカラー復元図を駆使して約1000種に上る有名な恐竜を紹介する。各章の内容は以下のとおり。「比べてみよう」獣脚亜目のうち最大のものはどれか、最小のものはどれかを示す。
ここ数十年、神経科学が発展したことで、人類をして地球上で最も複雑で、自らの本質を問うことができる存在にまでならしめた器官、すなわち脳の働きに関する多くのことが明らかになった。しかし、約1000億個の細胞からなる、この脳という器官は、科学者にとっていまだに謎に満ち溢れた挑戦の場である。国際的にも著名な神経科学者であるファクンド・マネスは本書『Ser humanos(人類)』の中で、脳科学における新発見までの長い道のりや大いなる発展について分かりやすくかつ魅力的に説明した。
乳がんに関する最新かつ非常に有益な情報を得ることができる本。マベル・ロサノとパカ・ディアスが語る乳がんの体験談は、人間味がありユーモアに溢れ、自分達を哀れな病人に見せることはしない。またその内容は目新しく役に立つ情報に満ちており、つい読み耽ってしまうこと請け合いだ。スペインでは女性の10人に1人がかかるといわれているこの病気を、作者である彼女たちはどのように理解し、またどのように向き合ってきたのか、それらが、逆境を跳ね返す力強さや女性らしいエネルギーに満ちた言葉で語られている。
PBL(課題解決型学習)の研修を行う中で、さまざまな国の、異なる教育レベルに属する何百人もの教師と共に「分単位」で取り組んできた内容を紹介したもの。シンプルでありながらも奥深く示唆に富む言葉を用い、キーとなるポイントごとにまとめられている。作者は、COVID-19のパンデミック以降に世界が経験している現実を教育の転換点と捉え、その考えに基づき本書を執筆した。
ジン・タイラ=アロンソは1970年、オビエド生まれ。日本人の父とスペイン人の母を持つ。原広司、磯崎新、伊東豊雄といった世界的に名高い建築界の巨匠たちの近くで、日本で建築家としてのキャリアを積んだ。SDreview(SDレビュー)やCasa de Encuentros de Corvera(コルデラ出会いの家)など国内外のコンクールでの入賞歴あり。