ことわざや物語を集めた絵本。本書を通して子どもたちは、生きるために役に立つ80の価値と美徳に気づくことができる。
本書『1980』はすべての家族に当てはまる物語だ。少なくともほぼすべての家族に。つまり欠陥のある家族。ごく一般的な家族ともいう。そこには性的虐待もなければ暴力もない。いるのは強い、たぶん強すぎる女たちと、死んでいるかあるいは生死不明の男たち。70年代の終わりのマドリードに、マリア・ヒメネスの歌を聞き、国民党創設者のマヌエル・フラガを押しのける可能性をもてあそぶ進歩的な母親がいた。突然、未亡人になって自由を手に入れるが、彼女には育てなければならない子どもが3人もいる。
国際著作権のエージェントであるバルバラは、仕事で行き詰まり、パリに逃げた。落ち着き先は、特別なつながりのある祖母マルゴーの家。大雪の降った2008年のある朝、バルバラは祖母の家の赤いソファーで眠る、見知らぬ若者と出会う。人を一度も撮ったことがないという謎めいたカメラマンの彼は、バルバラが思いがけない調べ物をするのに手を貸すこととなる。
わたしたちは手で電球をともせるだろうか? そして触るだけで携帯電話を充電することは? 1世紀以上も前、ある並はずれた人物が、どうやったらそれが実現できるかを発見した。だがその大胆なヴィジョンは、我々の社会システムをいくらも変えなかった。21世紀真っただ中に書かれたこの小説は、ひとりの天才の人物像を下敷きにしたフィクションだ。彼は実在の人物だが、その歴史は意図的に隠されてきた。ここで語られる出来事は、実際には起こらなかったかもしれない……。
歴史小説、冒険小説、私小説、スリラー、それにロマンス小説の要素まで盛りこんで書かれた35Muertos(死者35人)は、ある敗残者を襲った不幸の数々と、かつて彼を見知っていた何十人もの人々の物語を通じて、ここ40年間のコロンビアを描きだす。
「わたしの街に、山高帽の7人男がいた。7人はいつもいっしょに散歩していた。まじめでしゃっちょこばっていて、黒い服を着て口ひげはくるんとカールしている。ある日風が吹いてきて、山高帽がひとつ、はるか遠くへ飛んでいった。帽子をさがす7人の前に、知らない世界が開け……」考え、笑い、また考えさせられる物語。ときどきわたしたちは知らない世界に行って、まわりの小さなこと、ふだんは気にとめないけれども、日々必要なささいなことを、もっと大切にすることを学ぶべきなのだろう。
パウラ・ボネは国際的に最も広く知られ、名声を博しているイラストレーターのひとり。本書では彼女なりの視点でとらえたフランソワ・トリュフォーを表現している。ヌーベルバーグを代表するフランスの映画監督であるトリュフォーは魅力的な人物で、深い人間性を備えていた。トリュフォーの熱狂的なファンであるパウラ・ボネは、彼の映画作品を繰り返し見、パリを訪れて街の空気や音や光に包まれ、その経験を全て自分のノートに記録した。嘘偽りのないありのままのノート。ひとりのアーティストが、もうひとりのアーティストに迫る。
冷たい雨の降る午後、ブレンダの人生はがらりと変わった。日常から一歩踏み出しただけのところにそんな運命の急変が待ち受けているとは、以前の彼女なら想像もできなかっただろう。ある上品な人物との出会いがきっかけで加速度的に嘘の数が増え、彼女の生活は根本から変わってしまった。彼女の仕事、そして科学への情熱によって、地球上の生命の存続期間をのばせるだろう。
スペイン・フェミニズムを代表する存在のひとりが、ジェンダーという観点から自身の人生を考察する。ひとりの知的で聡明で才能ある女性が、夫の陰に隠れて自由も少なく、同意できない決定に従い、子育てに専念するために仕事での成功をあきらめなければならないという人生が、どのようにして起こるのかを詳細に語る自叙伝。起こらないと思っていたことはすべて起こる。それを著者は赤裸々に語る。