ペレス=ドミンゲスが私たちに贈る忘れがたい物語。失望した英雄たち、謎めいた女たち、激しい追跡、そして登場人物を救い出す聖杯のように、いつも愛が現れる家の痕跡。グレアム・グリーン風の胸おどるスパイ小説の世界が、50年代のマドリードとセビーリャを舞台にごく自然に展開する。ひとりで愛する女の名を呼ぶ、そんなときに自分を偽ることのできる男などいない。1950年1月。ドイツ人秘密情報部員の未亡人エリカ・ワルターは、亡命中のナチスの高官に関連する重要書類を持ってマドリードに逃亡する。
カルメロは、生まれ故郷のアンダルシアの村に初めて戻ってきた。30年前、彼がわずか3歳の時、母親がそこで起きた恐ろしい事件から彼を連れて逃げたのだ。ふたりはその事件の証人であり、その事件は、フランコ将軍の蜂起の時代、彼らの人生と地元住民全員に影響を与えた。カルメロが秘密の核心に迫っていく。真実が明るみに出るにつれ、小さなコミュニティーのみせかけのバランスが崩れる。
ある日とつぜん眠りこんで、地球をまっくらにしてしまった太陽のお話。どうすればまた地球を明るく照らせる? なんとかしなくちゃと、太陽はいっしょうけんめいお空にのぼる。
ハンス・クリスチャン・アンデルセンの物語の翻案。どんな困難に直面しても、何より愛を大切にした、兵隊の物語。
死は芸術の一形式になりうるのか? ルイス警視は一時的に隊を離れている。今日は首都の祭りで、誰もがマンサナレス川のほとりで楽しんでいるようだ。しかし、決まったパターンに沿って動物の死骸が何体か発見されたのが、異常事態の最初の兆候だった。ほどなくして、別の死の痕跡が見つかる。美術の奨学生である若い女性が、川のダムのひとつで、まるで儀式のような姿で殺害されているのが見つかったのだ。悲劇はこれだけにとどまらないと思われた。
大きな破壊力のシンボル、津波をメタファーとして用いながら、彼女の複雑で洗練された詩のパレット独特のテーマを、作者は歌いあげる。すなわち、喪失感、記憶、時のうつろい、困惑を乗り越える必要性、「荒廃後の風景」を認識する恐怖。本書のプロローグでジュアン・ペルチョが言うように、「鏡の後ろに何があるのか、詩人だけが知っている。その深奥にあるのは、この世の神秘と起源、この世のあくなき例外性だ」。
むかしあるところに、国で一番力のある男になりたがっている王がいた。しかし、王の力は、未来がわかると言う魔術師にはかなわない。そこで王はある日、魔術師に未来が分からないことを証明してやろうと、あるたくらみを企てる。魔術師に本人の死ぬ日をたずね、まさにその瞬間に剣を抜いて、魔術師に死をもたらすのだ……。 ところが、王が想像だにしなかったことには、魔術師の答えを聞いた王は、自分の命よりも魔術師を大切にせざるを得なくなる。
「僕たちは自分の人生を額に刻印されているのか? 生まれたときから? 僕の場合、知るのは簡単だ。サグラダ・ファミリアに行こう。
ふたりの海賊トパミとベントゥーラは、いつもいっしょの仲良しだ。ところがある日、ベントゥーラは別のことをしにいってしまい、さそわれなかったトパミはカンカンに怒って悲しくなる。その時から、船ではたいへんな事件が始まる。大きな宝箱が現れ、トパミは中にあった宝物のおかげで、ほんとうの友情とは何かを知る。 幼い子どもたちが、ポジティブな方法で人間関係に向き合うことを助ける、楽しく深みのある物語。共感と尊重の大切さ、友情と自由の価値を学べる作品。