14歳の少年ニコは、ある朝いつもと違う道を通って学校へ向かったところ、途中で見たことのない家を見つける。不思議に思って中に入ると、奇妙な宇宙にはいりこんでしまう。
バルセロナの最も特徴的なモニュメント「サグラダ・ファミリア」を理解することは容易ではない。しかし、当のガウディは、解決できない謎としてではなく、誰にでも開かれた本のようにそれを設計した。ガウディは「彼の」作品がどこからでも見えるよう望み、それを成し遂げた。またサグラダ・ファミリアを作る全ての石、ひとつひとつの石が語りかけて欲しいと望んだ。ガウディはその建築に着手したばかりのときにこの世を去った。
レオノーラ・キャリントンは、繊維業界大物の相続人として、裕福で何不自由なく育つ運命の星のもとに生まれた。しかし、小さい頃から自分は他の子とは違うと彼女にはわかっていた。他人には見えないものが見える能力が、彼女を特別な存在にした。個人的にも芸術的にも自由な女性でいる権利を勝ちとるために、社会のしきたりや両親や教師に立ち向かい、宗教や思想のくびきを断ち切っていく。今日では伝説となった、シュールレアリズムの大女流画家レオノーラ・キャリントンの魅力あふれる人生が、私たちの夢を膨らませる。
周知のとおり、中世においてサンティアゴの道は様々な国から大勢の人々が途切れなく集まり、一大文化交流の場となった。この道を行きかったのは様々なものの見方、知識、歌、音楽、芸術様式、芸術作品、そして言い伝え。特に、当然のことながら、ヤコブの人生とその死、行った奇跡についての伝説である
アントニア26歳。もの皆変わっていく80年代マドリードで、4歳の男の子とふたりきりだった。若く未熟で子どもを抱えながら生きていた女性の、内面の軌跡の物語。大都会で、確としているよりも渾沌とした時代の中で、喪失と孤独を経験するにはあまりに早すぎた人間が、自分自身の場を確立しようとする。
世界の最もよいボードゲームを集めたもの。このプレイブックで、家族全員が新しい楽しみを見いだすだろう。ボード、札、サイコロがそろってすぐに遊べる。ゲームの世界を発見するすべてがそろっている!
ごつごつした山しかないところには、眠っている大男が隠れているんだよ。きみたちは、大男を起こして、その不思議な仕事を見てみたくないか?
ベネズエラのある島に生まれた少年が、不幸な幼少年期を経て自ら生きる道を探し、空港で働くようになる。そして旅客機のパイロットに転身しコロンビアから米国への密輸に従事する。波乱万丈のこの小説では、国際政治でよく名の知られた人物と麻薬取引・武器密輸との関係が明らかにされ、政府が倒され、ゲリラへ資金提供がなされ、少数者の権力闘争のために多くの人々が行方不明になった時代が語られる。
事故にあった瀕死の一頭の馬。愛し合う勇気を持てないカップル。ひとりの若者。『ある馬の死』の中では、こういった単純なモチーフが組み合わさって愛と死に関する物語を構築する。愛することへの恐れ、死と事故の体験、他者の内面と、他者と対峙する自分自身の内面の遅々とした発見。実際には、舞台は一枚の写真のように動かない。主人公たちの心の内面と意志は、瀕死の一頭の馬のまわりをぐるぐるとめぐりながら、何が起きたのか、自分たちは本当は何を望んでいるのかを理解しようとする。
ジャーナリスト、アナ・R・カニルは、ある恐ろしい歴史を長い間追ってきた。スペイン内戦後の女性服役者たちの物語である。彼女たちが獄中で産んだ子どもは、看守に奪われ、全寮制の神学校や修道院に送られたり、養子に出されたりした。この残酷な仕打ちは、全体主義体制特有のえせ科学理論によって正当化され、その時代の有力な医師や聖職者や律法学者らにも完全に支持されてきた。これを題材にノンフィクションを書き始めた著者は、書くうちにのめりこみ、小説にせずにはいられなくなった。