日本市場向けに専門家が選んだスペインの新刊書籍をお届けします。今回は以下の専門家の方々に選んでいただきました(あいうえお順/敬称略)
岡原光希(アウルズ・エージェンシー) / 小国貴司(リブロ)/ 土居悦子(阪急コミュニケーションズ) / 野谷文昭(名古屋外国語大学教授・東京大学名誉教授) / 増子信一(作品社
各書籍のレポートを担当したのは以下の方々です(あいうえお順/敬称略)。青砥直子 / 井原美穂 / 宇野和美 / 小原京子 / 柏倉恵 / 嶋田真美 / 高際裕哉 / 長神未央子 / 佐藤晶子 / 宮崎真紀 / 村田名津子 / モンセ・マリ / 安田晶 / 山田美雪/ 横田佐知子 / 吉田恵
1945年8月、長崎。カズオは、日本に住む西洋人の青年。ジュンコは美しい娘で、母親は生け花の師匠。俳句にふたりの恋愛関係の秘密を封じ込め、愛を誓い合うために、ふたりは丘の上で会う約束をする。約束の時間の数分前、原子爆弾が長崎の街を地獄絵図に変える。2011年2月、東京。スイス人建築家エミリアン・ザックの人生は崩壊寸前だ。国連のアドバイザーで原子力エネルギーの擁護者でもあるザックは、日本美術画廊の女性オーナーと知り合う。彼女は、先祖の昔の恋人を見つけたいという思いにとりつかれている。
1939年、ドイツから逃れてきたユダヤ人900名を乗せたS・S・サン・ルイ号は、ハバナを目前にして、避難民の上陸許可が下りるのを待って何日も停泊していた。幼いダニエルとそのおじは桟橋で、親族が下船してくるのを待っていた。彼らが隠し持ってきた、17世紀から一族に伝わるレンブラントの小さな油絵が、通行許可証代わりになってくれるという確信があった。だが計画は失敗に終わり、ドイツに引き返すことになった船は、すべての希望も運び去った。2007年、油絵がオークションに出品された。
いたずらやドジで魔法の学校で有名な三つ子の魔女、ブラウリアとブリヒダ、ブルニルダの、ぜったいに楽しい物語。三つ子は魔女の資格を取ったばかりで、実習をするために、大魔女にごく普通の人間の学校に送られる。3人は、オートマチックでエアバッグ標準装備、人間工学に基づくシートを備え、CDプレーヤーを内蔵したほうきに乗って、目的地に着く。そこで困っている女の子を助け、あれこれといたずらをたくらんで、わくわくする冒険をくり広げる。
若く有能な美人ソムリエ。容姿端麗で野心的だが、どこか暗い過去を持つシェフ。控えめな天才パティシエ。教養あり洗練された給仕長。バルセロナのように活気のある現代的な都市。流行の発信地で、世界中の著名人を顧客に持つミシュラン三ツ星のレストランを舞台に、めくるめく物語が展開する。サスペンスと陰謀、愛と憎しみ、秘密、そして調査に乗り出すジャーナリスト。すべてがあなたを、1ページ目からとらえて離さない。
違いの大切さについての物語。人それぞれ違っていることで、私たちの社会が豊かになることを理解するための物語で、自由への叫びである。