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Almudena Grandes

Almudena Grandes

アルムデナ‧グランデス

アルムデナ‧グランデス(マドリード、1960)は、1989年、第11回ラ‧ソングリサ‧バーチカル賞受賞作『ルルの死』で知られるようになる。彼女の作品は映画や劇場で上映され、ララ財団賞、マドリッド‧リブレイロス賞、セビージャ賞、ラパロ‧カリージュ賞、メディテラネ賞などを受賞。Inés y la alegría』(マドリード自由劇場賞、エレナ‧ポニャトフスカ賞、ソル‧フアナ‧イネス‧デ‧ラ‧クルス賞)で、『El lector de Julio Verne』、『Las tres bodas de Manolita』、『Los pacientes del doctor García』(2018年ナシオナル‧ナラティバ賞)、『Frankenstein's Mother』(贖罪の物語でもある予測不可能な愛の物語)を含む「Episodios de una Guerra Interminable」シリーズを開始。

ニノは9歳。父親は治安警察で、アンダルシアのシエラ・スル山脈の村に住んでいる。ニノは1947年の夏を忘れることがないだろう。その夏、ポルトガル人のペペという魅力あふれる男に出会い、父親のように治安警察官にはならないと誓って、ルビアス農場でタイプを習い始める。農場は未亡人と孤児たちの女だけの所帯で、山際の土地でなんとか凌いでいる。ペペやルビアス農場の女性たちとともに、ニノは冒険小説のおかげで新しい世界に出会い、誰も彼に話してくれなかった真実を知る。シエラ・スル山脈では戦いが起きていて、相手はセンセロ率いる山賊だということ。ニノは山賊たちを屈強な無法者以上の者とみなすようになり、最後には、なぜ父親が彼にタイプを習わせたがるのか、その理由を理解する。

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Almudena Grandes著『El lector de Julio Verne』の表紙
文学

ジュール‧ベルヌを読む少年

El lector de Julio Verne

アルムデナ‧グランデス

Almudena Grandes
Tusquets Editores

複数の家族と隣人たちの1年間の暮らしを描いた、心を揺さぶる群像小説。親と子、若者と老人、前に進もうと勇気をふるい起こして生きるごく普通の人々。思いがけず知人に支えられた者もいれば、新たなチャンスにかけた者もいるが、みな、パンにキスして感謝の気持ちを表していた昔の人々と同じように辛抱強く踏ん張っている。それらをもとにこの小説は、ほろ苦い瞬間、大都市の中できらりと輝く連帯、運命の交差点での友情や愛情の細やかな物語を紡ぎ、ごく最近のスペインの感動的な肖像を描きあげた。著者曰く、「これは多くの物語からなる物語。そうはならなかったものの、全てがひっくり返るのではという恐怖を人々に与えた経済危機という台風の目の中で、自分らしくあり続けようとしたマドリードの下町の物語」

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Almudena Grandes著『Los besos en el pan』の表紙
文学

パンにキス

Los besos en el pan

アルムデナ‧グランデス

Almudena Grandes
Tusquets Editores

若い共和党員の医師ギリェルモ・ガルシアは、フランコ勝利後も親友からもらった偽の⾝分のおかげでマドリードに住み続けている。外交官だった親友は1937年にガルシアに命を助けられた後亡命したが、危険な秘密の任務を帯びて1946年に帰国する。その任務とは第三帝国、即ちナチスが犯罪者を隠匿するために作った地下組織に潜⼊すること。マドリードでその組織を率いていたのはクララ・ストーファーだった。ガルシアが徴兵される⼀⽅で、ナチス親衛隊の志願兵として最後のベルリン市街戦を戦ったスペイン⼈ボクサーはドイツでひどい⽣活を送っており、誰かが⾃分に成り代わってアルゼンチンに逃亡を企てていることなど知る由もない。第⼆次世界の実際の出来事をベースに造りだした⼈物たちが、スペインとアルゼンチンの情勢や冷戦初期の影響を共有しながら織りなすスリル満点の国際的なスパイ⼩説で、著者渾⾝の作品。

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Almudena Grandes著『Los pacientes del doctor García』の表紙
文学

ガルシア先生の患者たち

Los pacientes del doctor García

アルムデナ‧グランデス

Almudena Grandes
Tusquets Editores

若き精神科医ヘルマン・ベラスケスは1939年に亡命し、スイスでドクター・ゴールドスタイン家に迎え入れられ15年を過ごした後、1954年、シエンポスエロスの女性精神病院で働くためスペインに戻る。ヘルマンはそこで、とても知能が高い偏執狂的殺人犯・アウロラ・ロドリゲス=カルバリェイラと再会し、また、若い助手マリアと出会う。マリアに惹かれたヘルマンは、彼女に拒絶される訳が理解できず、彼女の人生には多くの秘密が隠されているのではと感じる。精神病院の庭師の孫娘という彼女のつつましい出自、小間使いとして長年過ごしたこと、彼女の報われなかった愛の物語、並行してヘルマンがスペインに戻ったわけが語られる。それぞれの過去から逃げたい似た者同士のヘルマンとマリアはチャンスに賭けたいと望むが、ふたりが住む国は、道徳的な罪が犯罪となり、ピューリタン主義があらゆる種類の虐待や人権侵害を覆い隠す屈辱的な国だった。

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Almudena Grandes著『La madre de Frankenstein』の表紙
文学

フランケンシュタインの母親

La madre de Frankenstein

アルムデナ‧グランデス

Almudena Grandes
Tusquets Editores

近未来のスペイン。市民運動「直ぐに解決!」という名の新しい政党が選挙で大勝した。この政党を影で支配しているのは成功を収めている起業家で、国を企業と同様に運営するというのが持論である。多額の投資と想定される脅威に対する様々な計略を駆使し、新しい監視体制を敷いたりインターネットへのアクセスを制限したりする。その一方で、非難や抗議を隠ぺいするために購買と消費の自由を促進した。すべてが良い方向に進んでいると見られる新体制だが、実は臆面もない権力者たちの職権乱用に他ならず、それに気付いたのは普通の男女からなるひとつのグループだけだった。彼らは新体制の嘘を暴くことに奔走する。偉大な小説家の遺作となるこの作品は架空の政治問題を力強く描いた群像劇で、またしても読者に感動を与え、良心を揺さぶる。

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Almudena Grandes著『Todo va a mejorar』の表紙
文学

すべてが改善される

Todo va a mejorar

アルムデナ‧グランデス

Almudena Grandes
Tusquets Editores