
細江 幸世
Sachiyo Hosoe
フリー編集者、白百合女子大学非常勤講師
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この世のすべてのものは、終わりにたどりついたとき、新たに始まる。完全になくなるものは何ひとつなく、すべては何度となく、形を変える。冬が終われば、春が訪れる。夜の後には、新しい朝が来て、地面に実が落ちれば、芽が出て、木になる。それは、すばらしい宇宙の循環だ。いくつかのそういった循環を、本書はとりあげる。無限に続く、とてつもない旅へようこそ!
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児童書・YA
無限
Infinito
ソレダード‧ロメロ
Soledad Romero
Zahorí Books
深い愛情に満ちた父娘を描くこの美しい物語は、たとえ目が見えなくても見えるものがあることを教えてくれる。暗闇に生きようとも視野が欠けていようとも充実した人生を送ることは可能だ。例えばこの本に登場する父娘は歩いて通う学校までの道のりを冒険の旅と捉えて楽しむ。町は勇猛な動物と魅惑的な音でいっぱいのジャングルに変貌するのだ。もっと住みやすく美しい世界を得るために互いを必要とする少女と父親、そのふたりの間にある優しさと互いを称え合う気持ちが伝わる作品。対話と内省的な語りを織り交ぜて物語が進行し、都会の風景のなかにマリア・ヒロンは愛嬌一杯で優しい野生の動物たちを住まわせる。主人公の想像の世界で一緒に通学する、愛すべき仲間たちだ。
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児童書・YA
私のガイド、私のキャプテン
Mi Lazarilla, Mi Capitán
ゴンサロ‧モウレ
Gonzalo Moure
Kalandraka Editora
木の葉が無くなってしまった暗い夜の森を捨て、旅に出る動物たちの様子を力強いタッチの絵だけで雄弁に物語る。一度きりの大移動は死と希望が共存する不安に満ちた長い旅。様々な脅威に立ち向かいながら国境を越えて進む。ありのままの姿を描いたイッサ・ワタナベの絵は、難民キャンプの日常やメディアでよく取り上げられる移民の映像のような見慣れた光景からも読者の心を揺り動かし、反省、共感、連帯感を生み出す。移動という状況を通して歴史的な決断の必要性を読者に気づかせてくれる本。
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