『Gato en el camino(路上の猫)』は、セルバンテス賞受賞の詩人ニカノール・パラにとって最初の《自己による反詩の先例》であり、天分を示した作品だ。不条理性、脈絡のなさ、そしてユーモアが運に身をゆだねた猫のいのちを包みこむ。ジュアン・カサラモナが独自の解釈を施した絵は読書の可能性を広げ、この物語をどんな世代の読者にも作者の作品の愛読者にも扉を開く文学的遺産に変えた。ニカノール・パラの最初に出版された小説となったこの短篇は、彼が若干20歳のときに執筆されたものだが、のちにこの作品は、《伝統的物語の要素を全く持たない》《反物語、原物語、小物語》と定義づけられる。