歴史上、多くの女性は確固たる願望を実現させるために、あるいは単に社会の中で居場所を見つけるために、男性の役割をしなければならなかった。何世紀にもわたる女性に対する差別や不寛容のせいで、女性に男性と同じ権利を認めようとしない、融通の利かない不条理で不公平な社会と戦うために、反骨精神の強い女性たちは男装するに至った。実在の人物の伝記を模した本書の主人公は医師で、ナポレオン戦争で兵士となり、ヨーロッパの戦場を駆け抜けた。スペインで投獄され、新世界へと移民した彼女の人生は、その時代の偽善的な社会への決断と勇気の教えとなり、後の世代のための権利回復のモデルとなる。