第1回リブロス・デル・アステロイデ賞ノンフィクション部門受賞作
「いつもよく眠れない。それは私の人生の重要な事実だ」筆者を含め、睡眠に悩む人の体験を語る本書はこの言葉から始まる。この本の不眠はいわゆる極度の不眠症ではなく、比較的普通の日常を送れてはいるものの、夜、昼、仕事、周りの人々などとの関係に影響を及ぼし、孤独や敗北、失望といった感情に向かわせる持続的な睡眠の問題だ。
『El mal dormir(不眠)』はごく普通に起きるが謎だらけの不調に関する明解な思索で、睡眠に問題がない人に対して、不眠に悩む人が持つ知られざる側面を見せるとともに、不眠の人にとっては、知ってもらえることによるささやかな慰めを与えることを目的としている。