Impedimenta S.L.
インペディメンタ
出版社
自分の命を守るため、若きゾーリンガーは生まれ故郷を捨て、遠く離れた土地で7年間、ひとり冒険の道を歩み、ありとあらゆる職業についた。つらい亡命生活ゆえの経験は、やがて啓発の道に変わっていく。たとえば、毎日謎めいた電話受付係の女性からの仕事の電話を受ける、とある駅のごく小さな守衛室で真実の愛を知る。軍隊の隊列の中で仲間意識と最も忠実な友情をかみしめる。消えゆく森の壮大さの中で自然の神秘を発見する。そして、何より、些細でつつましい仕事の尊厳を尊重する心を学ぶ。この過程を通して身に着けていく物事によって、彼はやっと一人前の男になり、家に帰り、よい印刷工になることができる。彼がずっと夢見てきた印刷工に。
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文学
印刷工ゾーリンガーの冒険
Andanzas del impresor Zollinger
パブロ‧ドース
Pablo d'Ors
Impedimenta S.L.
イスラエルは、ラ・バグアダ・ショッピング・センター1階の、ある店の中にスペースを構えるショップの片隅で働いている。以前は夢想家で、現実離れしたことばかり考えロマンを追い求めていたが、今は違う。より良い人間になるというふれこみの1冊の自己啓発本を読んで以来、ごく普通の生き方をすることにした。だが、虚無主義にたどり着く運命にとらわれ、イスラエルは完璧なアンチヒーローとして、自らの破滅に立ち向かうことになる。狂乱の1日、ジョイスの『ユリシーズ』の地獄堕ちの章から抜き出したような、熱狂的でハチャメチャな、息つくひまもない展開の中で、ショッピング・センター(現実全体の鏡)が現代の私たちの遊び場に変わる。すべてが手に入り、全てが起こるその場所は、世界の完璧なメタファーである。
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文学
若き販売員と普通の生き方
El joven vendedor y el estilo de vida fluido
フェルナンド‧サン‧バシリオ
Fernando San Basilio
Impedimenta S.L.
何気ない日常にひそむ突拍子もないこと、不可解なことを発見する天才である、現代スペイン有数の反権威的で妄想にあふれる作家サン=バシリオの新作。韓国の輝かしいスター集団を、ユーモアと驚きをもって覗き見る。占い師のもとを頻繁に訪れるヨンセイ大学の学生。脚本家たちに殺されると恐れるテレビコメディの俳優。ソウルの地下鉄のショッピング街で木製のアヒルを売る90代の老婆。世界一よく売れている菓子パンの試食用割引クーポンをもっているカップル。韓国のフランチャイズカフェのバブル。そして国際コーヒー見本市に参加するためソウルに到着し、韓国にとどまるために次々と言い訳を見つける、ほとんど特徴のない男フェルナンデス。北朝鮮から戦争の風が吹き、やがて桜の季節が来てブッダの誕生日がやってくる。
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