Albur Producciones Editoriales
アルブル‧プロドゥクシオネス‧エディトリアレス
出版社
Since its founding in Barcelona in 2004, Libros del Zorro Rojo has established itself as a leading international publisher of illustrated books for readers of all ages.
1998年1月、アナ・マリア・マトゥーテはスペイン王立アカデミーで《En el bosque(森のなかで)》と題した入会の講演を行った。言葉でできたその場所から物語の語り手は、明瞭な声で子どものころから魅了されてきた世界を披露した。聴衆の前に生き生きと立ち上がったのは、作家としての軌跡に常に寄り添ってきた映像や人物、すなわち秘密のささやき、暗がりにひそむ目に見えない命、世界の中心の住民たちの声。今回の刊行は講演の原稿と著者のバイオグラフィーを収めた小冊子に9枚のイラストカードがついたバージョン。カードは自由に組み合わせて並べることができるので、森のなかのシーンや物語を無限に創り出せる。繊細さとアンティミスムの描線が特徴のオドリオゾーラがイラストを描いた本書は、作家がインスピレーションを受けた妖精物語の宇宙発生論にオマージュを捧げている。
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児童書・YA
森のなかで
En el bosque
アナ‧マリア‧マトゥーテ
Ana María Matute
Albur Producciones Editoriales
1906年に書かれた本書は、優れた禅の儀式である古典的な茶道に集約された文化的、宗教的、美学的な要素を見事に記述した詩情あふれるエッセイ。国民イラスト賞のイシドロ・フェレルが様々なテクニックを駆使して描いた花々(中にはお茶で色付けしたものも)やデザインは、世界的な文化遺産といえるこの原文が持つ豊かな味わいを際立たせている。『El libro del té(茶の本) 』は、実はほとばしる悲鳴だ。欧米の実用主義の乱入―20世紀の初頭に巨大な力を以って全てに侵入した―により、若い世代の人々が忘れ去ってしまった在りし日の生活様式の文学的な遺書なのだ。
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文学
茶の本
El libro del té
岡倉覚三
Okakura Kakuzō
Albur Producciones Editoriales
木の葉が無くなってしまった暗い夜の森を捨て、旅に出る動物たちの様子を力強いタッチの絵だけで雄弁に物語る。一度きりの大移動は死と希望が共存する不安に満ちた長い旅。様々な脅威に立ち向かいながら国境を越えて進む。ありのままの姿を描いたイッサ・ワタナベの絵は、難民キャンプの日常やメディアでよく取り上げられる移民の映像のような見慣れた光景からも読者の心を揺り動かし、反省、共感、連帯感を生み出す。移動という状況を通して歴史的な決断の必要性を読者に気づかせてくれる本。
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