Acantilado (Quaderns Crema S.A)
アカンティラード[クアデルンス‧クレマ]
出版社
アカンティラードは1999年にJ‧バイコルバが設立した独立系出版社。2008年にサンドラ‧オリョ社と合併。それ以来、サンドラ‧オリョが経営と編集に携わり、2014年に代表に就任した。
文学や映画はこれまで数多くの架空の登場人物を生み出してきた。中でも「魔性の女」タイプの人物は、トロヤ戦争の原因を作ったとされる移り気なヘレネや全人類に罰をもたらした軽率なイブなど、古くはギリシャ神話や聖書にも登場するほど長い歴史があるが、この200年で特に登場頻度が高く変遷も激しい。魔性の女というステレオタイプは、ある女性たちの不吉な性格を証明するというより、男性の願望を際立って不吉な形で表しているとしたら?――文学の世界からはカルメンやロリータ、映画の世界からは『めまい』のマデリンや『欲望のあいまいな対象』のコンチータといった女性たちを分析しながら、恐ろしい「魔性の女」の神話を、著者は新たな視点から検証する。そして、これらの架空の女たちの裏にある男たちの痕跡を、まるで陰謀の筋立てを追うように読ませてくれる。
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文学
魔性の男:文学‧映画における男性の願望の変化
Hombres fatales Metamorfosis del des eo masculino en la literatura y el cine
エリセンダ‧フリベルト
Elisenda Julibert
Acantilado (Quaderns Crema S.A)
「わたしたちとほぼ同時に生まれた民主主義と憲法は、誰もが望むものになる権利があるとうたっている。社会全体が合意し、わたしたちの願いと希望を守ろうとした。わたしたちは自分が望むものになろうとした。そのため、大人になったら何になりたいのかと、わたしたちは常に聞かれてきた」。一人称複数形で語られるこの群像小説では、登場人物たちが分かち合うのは、我々皆の代表者としての意見を超えたもの。つまり彼らは、同じ象徴的な場所で生きている。仕事をするとか決定を下すといった人生の重要な時、人生に意味を与える時を示す兆候を待っているがために、失われたとまでは言えないがさまよっている世代という、同じ場所で。
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