ギリシャのERTテレビ局が閉鎖した。そこで働いていた男性ジャーナリストは経済危機を理由にヨーロッパ第2の公的テレビ局が閉鎖したことを巡る疑念と悲惨さを、もろに体験する。様々な出来事が狂ったようなスピードで起こる状況の中、アンドレアスとノラは誤解を受け、地中海の両岸に存在する極右の標的になる。現実とフィクションを大胆に織りこんだこの推理小説は、恐怖、狭量、希望が混在する経済危機下の南ヨーロッパ社会に読者を引きずりこむ。