「シモンおじいちゃんとわたしは毎日、キスかくしごっこをして遊ぶ。病院に行かなきゃならなかったり、いないときもあるけれど、おじいちゃんとわたしは遊びつづける……」アーティスティックな美しい絵本。やさしい言葉で、孫娘と祖父の交流が語られる。キスかくしごっこを通して、読者はおじいちゃんが認知症を患っていることがわかる。そんなある日、おじいちゃんは息の仕方を忘れてしまったのでもう戻ってこないと、わたしは告げられる。けれども、母親とキスのおかげで、わたしはなんとか悲しみをのりこえていく。いなくなっても自分を思い出してくれるようにと、おじいちゃんはわたしにキスを残しておいてくれたのだった。