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Fluidoteca
タイトル:
たいえきかん(体液館)
著者:
ベルタ・パラモ (Berta Páramo)
出版社:
リテラ (Litera Libros)
レポート作成:
平野麻紗 

■概要

 たいえき(体液)とは、人の体のなかにある水分のこと。体内で大きな割合を占め、重要な役割を果たしているが、意外に知られていないことも多い。本書は、さまざまな体液のなかから、うんち、涙、鼻水、おしっこ、唾液、血液、汗をとりあげ、そのはたらきを子どもにもわかりやすいシンプルな文とイラストで紹介する。テーマごとに色分けされたカラフルな装丁も目を引く科学読み物。

 

■おもな内容

たいえき(体液)ってなに?(テーマカラー:灰色)

・人の体はほとんどが水でできている。

・摂取した水の大半は、体内を流れる体液になる。

・体液は、人の体がうまく機能するようにつりあいをとるのを助ける。

 

うんち(テーマカラー:茶色)

・うんちは、人の体がそれ以上利用できない食べ物の残り。

・食べ物は、口に入れられてからうんちとして排出されるまでに長い旅をする。

・うんちが茶色いのは、ステルコビリンという色素が原因。

 

なみだ(涙)(テーマカラー:青色)

・涙はつねに人の目のなかにあって、目を守り、清潔にしている。

・涙腺が涙をつくりだし、まばたきによって絶えず供給される。

・涙にはにおいはないが、しょっぱい。

 

はなみず(鼻水)(テーマカラー:黄緑色)

・鼻水は、ほこりやウィルスなどの粒子をつかまえて、肺に届かないようにする。

・鼻では1日に1リットルもの鼻水がつくられている。

・寒さやアレルギー反応が原因で鼻水が出ることもある。

 

おしっこ(テーマカラー:黄色)

・おしっこは、血液の余分な水分と不要物からできている。

・血液は1日に300回腎臓を通過してきれいにされ、おしっこがつくられる。

・ぼうこうがおしっこでいっぱいになると、トイレにいきたくなる。

 

だえき(唾液)(テーマカラー:水色)

・唾液は、食べ物を湿らせて飲みこみやすくし、舌が味を感じるのを助ける。

・人が話すためには、唾液が欠かせない。

・唾液は、歯を清潔に保ち、感染症にかかりにくくする。

 

けつえき(血液)(テーマカラー:赤色)

・血液は、体内の細胞に必要なものを運びいれたり、不要なものを運びだしたりする。

・動脈は酸素が豊富な血液を心臓から細胞へと運び、静脈は酸素が乏しい血液を細胞から心臓へと運ぶ。

・心臓は、全身に血液を送り出すポンプのモーター。

 

あせ(汗)(テーマカラー:緑色)

・汗は体の冷却装置。

・辛いものを食べたり、動揺したり、ストレスを感じたりしたときも、汗が出る。

・汗そのものににおいはないが、皮膚にすむ細菌によって発酵、分解されることで臭くなる。

 

そのほかの体液(フルカラー)

 

■所感・評価

 本書のタイトル『たいえきかん(体液館)』は、「体液(fluido)」と、箱や収蔵庫をあらわす接尾辞「teca」を組み合わせた造語。「体液館」は体液の入れ物、つまり、人体だ。人体をテーマにした本、または、本書でもあつかっている体液のうち、うんちやおしっこなどを単独でとりあげている本は、子ども向けでは絵本や図鑑などが数多く刊行されているが、体液に注目して人体のしくみを明らかにする本というのは珍しい。さまざまな体液があるなかで、子どもにもなじみのあるうんち、涙、おしっこなど計7種類をとりあげ、通して読むことで、体液が人にとっていかに重要なものであるかということがわかるようになっている。

 とくに目を引くのが、シンプルな構成とデザイン性の高さだ。7種類の体液ごとに、うんちは茶色、涙は青色というようにテーマカラーが決まっていて、背景色とイラストにはその色と白、黒のみが濃淡をつけて使われている。それぞれの体液が生成される過程や、排出のしくみなどについては詳しく図解しているが、おもなはたらきや特徴などについては短い文と大きく描かれたイラストで端的に説明していて、わかりやすい。うんちは人の体がそれ以上利用できない食べ物の残りであることを説明するページに、ゴミ箱とゴミ袋が描かれていたり、おしっこのページで人の体は血液をろ過してきれいにしていることを説明する際に、液体をざるでこしているイラストが描かれていたりするなど、文で説明していることを視覚的にとらえやすくするための工夫がこらされている。全体で150ページを超えているが、あっというまに読めてしまう。巻末の、「そのほかの体液」のイラストも、本書では紹介していない体液のイメージ図が自由な発想で描かれていておもしろい。

 全体を通してスタイリッシュな絵本を読んでいるようで、人体をテーマにしたほかの本とは印象が異なる。扱っている情報としては重なるところも多そうだが、紹介のしかたが独創的で、随所にユーモアやこだわりが感じられる。本書は、作者ベルタ・パラモが文と絵の両方を手がけた初めての作品で、イタリアのボローニャ・ブックフェアで表彰されるボローニャ・ラガッツィ賞オペラ・プリマ部門(デビュー作対象)で2022年の特別表彰に選ばれるなど、国際的な評価も高い。人体について楽しく学べる入門書として、日本でも子どもから大人まで幅広く受け入れられそうだ。

※出版社の書籍紹介動画(上から2段目、左側が本書) https://vimeo.com/user12588821

 

■試訳

p. 5~(冒頭の章)

たいえきってなに?

 

水は生きていくためにかかせない。

コップ1ぱいの水をのむと、たった5分ごにはもうけつえきになって、からだのなかをながれている。

 

人のからだは、ほとんどが水でできている。

 

のんだ水のほとんどは、たいえきになる。

たいえきは人のからだのなかをながれているぶっしつだ。

 

たいえきはえきたいだ。

 

おならもたいえきにふくまれる。

 

うんちだって。

 

たいえきって、そんなにだいじなの?

 

人のからだは、つりあいがとれていると、ちょうしがいい。

たいえきは、つりあいがとれるようにたすけるんだ。

 

人がこうげきされたら、まもる。

 

たいおんがあがったら、さげるてつだいをする。

 

いらないものがふえたら、すてる。

 

からだのどこかがなにかをひつようとしていれば、とどける。

 

うんち

なみだ

はなみず

おしっこ

だえき

けつえき

あせ

そのほかのたいえき

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スペイン語圏文学研究者で東京大学教授の柳原孝敦氏によるエッセイ「スペイン語は文学研究にうってつけである」

 

 

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