ハナは今日、グレーのコートを着ています。歩きながら、だれかほかの人のように感じられたらどんなにいいだろうと想像します。きっとすばらしいに違いありません! けれど、ハナはまだ一番すばらしいものに気付いていませんでした……。これは自尊心の物語。自分が何者かよくわからなかったり、自分のよい面は忘れて他人のよい面ばかりが目についてしまったり、そんな瞬間が語られています。教師用資料付き絵本。
表層の下に隠れたものを、キャサリン・マンスフィールドは誰より巧みに描いてきた。彼女の時代の女性たちの行動原理についての深い理解により、女性の登場人物たちのみごとな立体性を発見した。
この本は、子どもたちを東洋の詩の真髄、とくに俳句の世界へと案内します。俳句は、非常に人気のある詩の形式で、わたしたちの感覚のなかに呼び起こされる印象を通じて自然を導き出そうとするものです。想起されるイメージのほとんどは、アンプルダン(カタルーニャ地方北部の地域)の土地から着想を得ています。イラストはナチュラルかつシンプルで、それぞれの詩から着想を得たものです。イラストは詩とぴったりマッチして、見る者の想像力を掻き立てます。
愛と死は、兄弟であるかのように似通った響きを持ち、かけ離れているようだが共存している。本書は、バレンシア及びガジネラの谷で繰り広げられる愛と友情、死と失恋の物語である。多くの歴史を持ちながら人口の少ないこの谷は、さびれてすっかり荒廃している。中学教師のジュアンと、段々畑で耕作をする心理学者のサラはこの谷に住む。またカルロスという人物もそこにやってくる。
脳は無数の複雑なタスクをこなし、信じがたいほどの働きをするすばらしい器官だ。だが、われわれを幸福にするようには設計されていない。進化というものは、われわれを生存させるためのものであり、幸福に導くようには仕組まれてないのだ。幸い、人間の脳は主な特徴のひとつとして可塑性を有しており、今日、われわれは生物として何百万年もの進化を経た結果、脳の構造を新たな現実に適応させ、神経学的なメカニズムを利用して自分なりの幸福を構築するのに必要な知識を獲得した。
ある日、ミロはママのおっぱいを飲んでいました。ところが、あまりに吸い過ぎたので、ママを丸ごと飲み込んでしまいます。ミロはママに会いたくてママを捜しに行くことにしました。自分自身を食べようとしますが失敗し、ママを出さなければならないと考えました。最初は鼻から出そうとしますが、うまくいきません。大きなおならで空中に噴き出すことでとうとうママを取り戻すことに成功しました。ママは喜びのあまり、ミロを食べてしまう勢いでキスの雨を降らせました。大きなおならをしたミロは、結局また欲しくなりました。
ヨーロッパ最大のスラム街カニャダ・レアル。社会からはじき出されたこの地区の中心を舞台に、子どもの素朴で優しく創造的な視線を通して、何千人もの人々の厳しい現実を文学に変えたのが本書だ。社会から排除された人々に焦点を当て、そこで暮らす子供たちの声を伝えて、何年も前から停滞している建物の一部撤去か集団移住かという問題を可視化した、大胆で危険な必読の書。
ルシアは外見と中身が違うと感じている。髪は刈り込み、耳にはいくつもリングをつけ、男物の服を着ている。家族は兄弟ふたりと父親。母親は他界しており、形見にギターをもらったが、もう音が出ない。そこで、若い才能を発掘するコンテストに出ることにした。しかし、参加するにはギターと見栄えのよい衣装が必要だ。インターネットで探していると、魔法使いのおばさんを提供するサイトを発見した。冗談か何かだろうかと思いながらも申込書を送ったところ、翌日、部屋の中にカリストがいた。
1938年5月22日パンプローナ。「仲間たちよ、外に出ろ。俺たちは自由だ!」力強い囚人の声が刑務所の中庭に響いた。ホアキンは間髪をいれずに立ち上がり、ともに牢の床に座っていたトマスの体をゆさぶった。「行こう!」呼びかけて、セーターをひっぱり、立たせる。ふたりは第二旅団に属していた。
本が大好きなエンマ。数日後に誕生日を迎える友人のセバスティアンに最高のプレゼント、つまり「最高に楽しい本」を贈りたい。問題は、そんな本がどんなものなのか誰も知らないことだ。ある日の午後、エンマはアリシアの本屋に行き、最高に楽しい本がないかと尋ねるが、アリシアはわけがわからず、エンマにどんな本なのか、何かヒントをくれるよう頼む。エンマが最高に楽しい本には恐竜が出てこないとダメだというので、アリシアは恐竜が出てくる素敵な本を何冊か見せる。