
野谷 文昭
Fumiaki Noya
東京大学名誉教授・立教大学名誉教授・名古屋外国語大学名誉教授
神奈川県生まれ。東京外国語大学外国語学研究科修士課程修了(ロマンス系言語)。主な訳書にガルシア=マルケス『予告された殺人の記録』、ボルヘス『七つの夜』、プイグ『蜘蛛女のキス』、コルタサル『愛しのグレンダ』、ボラーニョ『2666』(共訳)等。編訳書に『20世紀ラテンアメリカ短篇選』、『純真なエレンディラと邪悪な祖母の信じがたくも痛ましい物語:ガルシア=マルケス中短篇傑作選』、『ケルト人の夢』(岩波書店・近刊)等。著書に『マジカル・ラテン・ミステリー・ツアー』『ラテンにキスせよ』『越境するラテンアメリカ』等がある。
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大自然、独自のルールに従う女性たちだけが住む1軒の家、見知らぬ女。そこへ最近やってきたのは、車がガス欠になり、扉の閉ざされた家しかないでこぼこ道に迷いこんだコロ・マエだ。都会育ちの彼女は、何もかもに見放された状況で何もわからないまま、俗世から離れて独自のルールのもとで数名の女性たちが暮らす家、ベタニアにたどりつく。その家の地下で寝泊まりしているグロリアに、泊まっていくよう強引に誘われ、ほかの女性たちにもそれとなく勧められたのと、くたびれ果ててどうすることもできなかったことが手伝って、コロ・マエは、女性たちが支配する、その野蛮な場所から出ることができなくなる。女性たちが彼女をひきとめているのか。それとも、無能感に彼女が屈したのか。惨事の領域へ、原初的驚きを伴う警戒と詩的恐怖の状況へと読者をひきずりこむ感覚的小説。
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文学
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野獣と鳥類の
De bestias y aves
ピラール‧アドン
Pilar Adón
Galaxia Gutenberg
フアン・セバスティアン・レボンテが音楽家になったのは、天才によるものではなく、絶対的な父方の権威によるものだった。東欧の小さな町をツアーしていたとき、父の訃報を受け、ブエノスアイレスに戻る。遺産相続についての話し合いの中で、1970年代に経済的に恵まれた立場にあった父親が、わずかな土地しか残さなかったことを知る。その土地はパソ・デル・レイ駅に隣接する同盟都市にあり、家族の誰もその地域の記憶を持っていなかった。現代アルゼンチン文学で最も影響力のある作家の一人とされるエルナン・ロンチーノのこの魅力的な小説は、父と息子の絆、家族の秘密を掘り下げ、同じことを繰り返さない方法を探り、出口を見つける可能性を探る。
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文学
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ある音楽
Una música
エルナン‧ロンシノ
Hernán Ronsino
Sexto Piso España
マリア・マルティノン=トレスは、本書を通じ読者を生物学の漆黒の闇の片隅にまで誘い込み、われわれが不完全であるというレッテルを貼ってしまったことで、ホモ・サピエンスの優れた適応力の重要な側面が隠されてきたことを明らかにする。進化論に照らし合わせると、ガン、感染症、免疫系障害、不安、心血管事故、神経変性疾患、老化、死に対する恐怖といった人間の大きな病は、変化する世の中で生き残ろうとする人類という種の闘いの変遷を物語るものだというのだ。病気やその傷跡は、ヒトが弱い存在であることを示しているどころか、人類の連帯と回復の歴史を読み解くためのいびつな線であるということを、読者は本書を通じて理解するだろう。
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科学・技術
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人類、この不完全な生き物―人類が進化しても病気になる理由
Homo imperfectus
マリア‧マルティノン=トレス
María Martinón-Torres
Editorial Planeta
人間は好奇心旺盛な動物である。知りたいという欲求と新たな資源の追求のために、私たちは山に登り、極地を制覇し、広大な海を渡ってきた。そして、その飽くなき探求心は宇宙にまで及んでいる。その先には、最後のフロンティアといえる火星がある。 科学、技術、想像力が、赤い惑星を知り、その最初の住民の生活を発見する壮大な旅のお伴だ。火星は、私たちにゼロからスタートするチャンスを与えてくれる。発射準備はOK? この分野の著名な専門家によって書かれた本。
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絵本
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