
友田 とん
Ton Tomoda
作家・編集者/出版社・代わりに読む人代表/博士(理学)
ナンセンスな問いを立て日常や文学に可笑しさを見つける文章を書く。著書に『『百年の孤独』を代わりに読む』『パリのガイドブックで東京の町を闊歩する 1・2』(代わりに読む人)。短篇小説「私の応援狂時代」「ジオラマ」を雑誌『しししし』(双子のライオン堂)に寄稿。編集を手がけた書籍に、わかしょ文庫『うろん紀行』、佐川恭一『アドルムコ会全史』、文芸雑誌『代わりに読む人』がある。
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おすすめ書籍
この小説が語る物語は、まったくありえなさそうだが、実際に起きたことだ。一流の国際的美術館、レイナ・ソフィア美術館は、1986年開館にあたって、北米の有名彫刻家、リチャード・セラに作品を依頼した。だが、38トンもある彫刻作品が、ある日突然……煙のごとく消えた。本書は、ノンフィクションと記録文学とナンセンスの間をいきながら、スリル満点に事件を再構成し、さまざまな疑問をわきあがらせる。なぜそのようなことが起こりえたのか、なぜコピーがオリジナルとなったのか、現代美術における芸術とは何か、消えた鋼鉄製の彫刻がある日いきなり現れることがありうるのか。これらの疑問にこたえようと、リチャード・セラ本人を含む、さまざまな人物の声が集められた。不可解な消失が、傑作へともちあげられる。
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文学
傑作
Obra maestra
フアン‧タリョン
Juan Tallón
Editorial Anagrama
俺、ドン・ペドロ・ブランコ、奴隷商人。狂人。巨人かモンスターか。モンゴ・ブランコ。鏡と太陽の偉大なる魔術師。雌鶏の王。海賊。神父。修道士。マラガの場末からアフリカの王座、栄光のハバナからバルセロナの精神病院。ピストル。もし俺がピストルを持ったなら、俺の脳みそで壁を汚すだろう。それは俺のせいだし、俺の罰だ。これは俺の物語だ。カルロス・バルデムが再び筆をとり、伝説となった強烈な実在の人物モンゴ・ブランコの波乱万丈の英雄伝をひっさげ、アクション満載の意欲的で壮大な冒険小説で戻ってきた。スペイン、キューバ、アフリカなどが、資料に裏付けられた、趣豊かな圧倒的物語の舞台となる。
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文学
モンゴ・ブランコ
Mongo blanco
カルロス‧バルデム
Carlos Bardem
Plaza & Janes
生きがよくワイルドで生々しい、古典となること間違いなしの、イニシエーションの物語。思春期の入り口にいるふたりの少女の衝撃的でかけがえのない友情、尊敬・羨望・嫉妬・欲望の感情がたえず行き交う交友を描く。カナリア諸島のテネリフェ島内陸部の(人からも観光客からも遠い)小さな村の、いつになく暑かった2005年の夏を舞台に、思春期、21世紀的な苦悩、地理的社会的な辺境での夢と人生を語る。アンドレア・アブレウは24歳のとき、マドリードのランジェリーショップで働きながらこの小説を書いた。カナリア諸島方言で書かれ、現代の若者言葉が用いられている。(訳注:「ロバの腹」とは、カナリア諸島グラン・カナリア島の夏の曇り空を指す表現)
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