
竹田 信弥
Shinya Takeda
双子のライオン堂店主
東京生まれ。双子のライオン堂の店主。文芸誌『しししし』編集長。著書に『めんどくさい本屋』(本の種出版)、共著に『これからの本屋』(書肆汽水域)、『まだまだ知らない 夢の本屋ガイド』(朝日出版社)、『街灯りとしての本屋』(雷鳥社)など。最新刊は、共著『読書会の教室』(晶文社)。FM渋谷のラジオ「渋谷で読書会」MC。好きな作家は、J.D.サリンジャー。
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おすすめ書籍
ゲーテとシラーが共に過ごし、その後の彼らの作品にとって、またふたりの関係にとって決定的な意味を持つことになった1794年の夏の数日間へと読者を誘う。友情の物語であり、同時に神話の後ろに隠れた人物の夢や苦悩、心の奥底の野望、誰にも明かせない恐れの物語である。ヨーロッパ文学において最も影響力のあるこのふたりの作家は、常に生涯の伴侶である女性たちに守られていた。彼女たちはしばしば、完全な闇にとざされてしまいそうになる彼らの唯一の光だった。シンフォニーのように、多様な声と、時の中で絡み合う横糸が、男と女、過去と未来の間で完璧な合わせ鏡となって内的考察を導き、人生と愛の密接な関係を語る。
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文学
私たちを思い出すだろう
Nos recordarán
カルラ‧グラシア
Carla Gracia
Editorial Catedral
『シェアアパート(シェアハウス)』は、内側の小説。魔法と記憶と日常性が組み合わさった、風俗小説的中編。多くの思い出や経験を持つ5人の婦人の人生と、ひとりの若い娘の人生が交差する。主人公の娘は、婦人たちがシェアしているアパートになぜ、どのようにして自分が現れたのかわからない。彼女は、婦人たちの儀式に参加し、本や言葉を分類し、毎週金曜日には即席の美容サロンになる居間で、彼女たちの紫色がかったふんわりした髪の手入れをし、食事ごとに食後の長いおしゃべりにつきあい、ことに住人たちがくりだす物語に耳を傾ける。インスタグラムと労働、外国の訪問、昨日の歌が、女性同士のコミュニケーションと共生を描いたこの小さな小説のなかでまじりあう。
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文学
シェアアパート(シェアハウス)
Piso compartido
アナ‧フレチャ=マルコ
Ana Flecha Marco
Menoslobos Editorial
21世紀の吸血鬼は昔とは違う。ドラキュラは『トワイライト』の登場人物のような悩める若者に取って代わられた。現代のバンパイアは中年の伯爵を葬り去り、若さや喜び、愛、女々しさを前面に押し出す。モンスターは人間の不条理を帯び、一方で世界は経済危機や政治抗争、SNS、感染症によって人の血を吸うようになった。本書は、トランシルバニアの城の伝説から映画で活気づく吸血鬼の再解釈に至るまで、神話の変容を分析。昔の子供は吸血鬼が怖かったが、今時の子供は吸血鬼になりたいのだ。そして大人は幸福な約束の中で、不安定な雇用や人間関係の軋轢、日々我々の血を吸う巨大企業からの避難所を見つける。
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