
野谷 文昭
Fumiaki Noya
東京大学名誉教授・立教大学名誉教授・名古屋外国語大学名誉教授
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死は芸術の一形式になりうるのか? ルイス警視は一時的に隊を離れている。今日は首都の祭りで、誰もがマンサナレス川のほとりで楽しんでいるようだ。しかし、決まったパターンに沿って動物の死骸が何体か発見されたのが、異常事態の最初の兆候だった。ほどなくして、別の死の痕跡が見つかる。美術の奨学生である若い女性が、川のダムのひとつで、まるで儀式のような姿で殺害されているのが見つかったのだ。悲劇はこれだけにとどまらないと思われた。警察はいくつかの仮説を立てて捜査するが、やがて事態は錯綜し、難解な筋書きを描きはじめて、一連の流れに飲み込まれたルイス警視はゴヤの遺産へと導かれていく。死を芸術に近づけることは可能なのか? 狂気は創作たりうるのか? チームも制服も銃もないマリア・ルイスは、高い知能を持ち妄想に取りつかれた犯人に立ち向かっていく。
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文学
理性の夢
El sueño de la razón
ベルナ‧ゴンサレス‧アルボウル
Berna González Harbour
Dos Passos Agencia Literaria
人生において家族やお金の重みとはどれほどのものだろうか?違う場所、時代に、違う身体で生まれてくれば、何か違っただろうか? この小説にはふたりの女性が登場する。ひとりはマリア。彼女は60年代後期にマドリードで働くためにそれまでの人生を捨てた。もうひとりの女性アリシアは、30年以上も後にマリアと同じ道を通る。『Las maravillas (素晴らしいこと)』はお金、そしてお金がないことにまつわる小説で、所持していないお金がどのようして人を定義づけていくのかを描く。また本書は、心遣い、責任、期待についての小説でもある。経済危機ではなく階級を原因とする乏しさや、何が人の素性や過去について教えてくれるのかに関しても述べている。大都会の外れで働くふたりの女性の声、そして身体を通して語った誠実で抒情的な本。
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文学
素晴らしいこと
Las maravillas
エレナ‧メデル
Elena Medel
Pontas Copyright Agency
本書『Amazona(アマゾンの女)』は事実に基づく作品。物語で描かれているほとんどのシーンは2014年6月28日、土曜日の数時間の出来事だ。アマゾンのジャングル奥深くにある先住民コミュニティ出身の女性アンドレアは、カリ市での不健康な生活と過密状態に別れを告げ、故郷を目指して長い旅に出る。しかし、その故郷は今、鉱業会社の搾取に遭い、武装集団によって監視されているのだった。
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