
斎藤 文子
Ayako Saito
東京大学大学院総合文化研究科教授
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シモンはついに日記帳を手に入れた。頑丈な装丁に、秘密をまるで金塊であるかのようにしっかり閉じ込めてくれる南京錠まで付いた立派な日記帳だ。これで、あのうわさ好きの弟フリアンに自分の経験を知られなくて済むだろう。最近転校してきた自閉症の少年エクトルとの友情や、自分が先入観なしに彼を自然に受け入れた話、それにエクトルがいつも自分を理解させることができるとは限らないこと(ましてや他の生徒には)、必要な時は、シモンはいつでもこのクラスメイトを守るだろうということも。日記帳の各ページには、愛情に満ちた、気負わない自閉症へのアプローチの仕方が綴られている。
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児童書・YA
シモンの日記のページ
Páginas del diario de Simón
ビセンテ‧ガルシア‧オリバ
Vicente García Oliva
Pintar Pintar Comunicación
「家の外に出ると、ぼくには何もかもがむずかしくなる。むずむずした感じがやまなくて、一歩一歩が容易ではない」。人とコミュニケーションをとることは、見かけほど簡単ではなく、それには我慢強さや努力や勇気が必要だ。この本の主人公はそんな問題をかかえていて、パン屋のおじさんや、近所のアナさんやアントニアさんにあいさつしたいのに、しようとすると胸がドキドキして、手が汗ばんで、ほほえみしか出てこなくなる。
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児童書・YA
むずかしいこと
Lo difícil
Publicaciones Ilustradas TTT
「年を取るごとにおじいちゃんが衰えてるとおばあちゃんが言うけど、何のことかちっともわからない。学校で石は時の流れによって浸食されすり減ると習った。でもおじいちゃんは石じゃない。それとも石なの? 時々そう思える、だって例えば寝ている間は1ミリも動かないから」。2015年ラサリーリョ賞絵本部門の栄冠に輝いたタッグが戻ってきた。今回は時の流れや老化、そして死を子どもの目を通して語る優しく感動的な物語。幼い子どもを対象に、愛する人の旅立ちを、現実を踏まえつつほっこりと、そして誠実に語りかける。
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