
廣瀬 覚 氏
Satoru Hirose
水声社
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不安を掻き立てるこれら11編の短編の中には、寓話的な変化をもたらす出来事がある。それは救いのある出来事ではなく恐怖を伴う途方もないものだ。エルビラ・ナバロは、容赦のない明解さで、致命的にゆがんでいく人生を私たちに見せ、また、私たちをも引きずり込む。ナバロを読むことは、恐ろしい影を呼び覚ますことだ。そして夕暮れ時に、よく知っていたはずのものが全く違う顔を見せるように、これらの物語の中で、登場人物は密室、ぬかるみだらけの小島、精神的迷路の中に迷い込む。それらは正常を破壊し、もはや逃れることができない強烈なホワイトノイズに至る。本作で、著者はスマートで的確な筆致で現実をむき出しにし、痛いほどまぶしい白日の下にさらしだす。
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文学
うさぎの島
La isla de los conejos
エルビラ・ナバロ
Elvira Navarro
Casanovas & Lynch Literary Agency
美しさと荒々しさが同居する地域で、豊かさと貧しさ、白人と黒人が、距離を置きながら共存する太平洋の小さな村。その村がダマリスの物語の舞台。ダマリスは、女ざかりの太平洋の黒人女。長年ロへリオと連れ添ってきた。ふたりの白けた関係は子供を求めてのむなしい努力に大いに関係がある。あらゆることを試すが、ダマリスは妊娠しない。すべての希望が絶たれたとき、ダマリスは1匹の雌犬を飼うことになり、新しい夢を見つける。この雌犬との新しく身近な関係が、ダマリスにとって本能と母性について考察させる経験になっていく。
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文学
雌犬
La perra
ピラール‧キンタナ
Pilar Quintana
Casanovas & Lynch Literary Agency
本作は、ベルベル文化のユニークな世界から生まれた本。著者クリスティアン・クルサットは、驚くほどよどみなく、伝説、エッセイ、伝記、旅行記を組み合わせている。読者は、(一般的および地理的な)境界、多種多様な境界についての文章を前にすることになる。その文章の中で論説より優先されているのは、否定しがたい信念、文学は世界を映す真の鏡という信念だ。サハラから地中海にかけての北アフリカに住むベルベル族は、神秘の民族で、その起源はわからないことが多い。無数の方言に枝分かれした彼らの言語は、謎めいた文字で表現される。それはあまりに不可解かつ目を引くので、ホルへ・ルイス・ボルヘスの幻想短編小説から引用してきたように思えるほどだ。
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