バルセロナに住むマヨルカ出身の作家が、一連のプライベートな日記を残して亡くなったお騒がせ演劇女優ドラ・ボニンの伝記執筆を依頼される。主人公は次第に、マヨルカに君臨するベルデラ一族の帝国を崩壊させかねない暗い秘密が日記の中に隠されているのを発見する。ドラは、かつて、ベルデラ一族の遺産相続人イジニの妻だった。ふたりの間の息子レオは、偶然にも作家の幼馴染だった。この予期せぬ再会で彼の人生は大きな転機を迎え、自分の過去に立ち向かわざるを得なくなる。メルシオル・コマスは、私たちが世界と自分自身をどんなふうに理解しているのかについての心理的冒険を語り、そして、痛ましく恐ろしい家族の謎を解くことにつながる原点への回帰を語る。