書店にある他の本とは異なる、サグラダ・ファミリアについての書。人間としての、また芸術家としてのガウディの経験を語らせたら並ぶもののない証人である外尾悦郎との対話。日本人の彫刻家、外尾は30年以上前にバルセロナに来てサグラダ・ファミリアの石の鼓動に魅了された。作品への関わりはガウディへの、とりわけガウディが見ていたものへの、深く沈思したまなざしがあったからこそ。ガウディを撮らせたら右に出るもののいない写真家マルク・リマルガスの素晴らしい写真がビジュアル・ポエムの趣をそえ、この教会の存在意義と精神性を読者に深く考えさせる。