読者はふたつの旅に居合わせる。ひとつは大型船に乗った女の子の幸せな旅で、食べ物や飲み物が豊富にあり、夜はダンスを踊り、波の音が心地よい眠りを誘う。もうひとつは、アニエリェとその母親、他の乗客たちが薄っぺらな小舟で命がけで海を渡る、苦難に満ちた不確かな旅。ひとりは休暇のため、もうひとりは安全で平和に暮らせる場所を見つけるための旅だ。絵は前者のストーリーを語るが、本文は後者を語り、付録の虫メガネを使うと見つけられる隠し絵がある。ふたりの少女はやがて出会い、お互いを認識するようになる。