1971年初頭から現在までの、ふたりの若い女性の人生をたどる。ひとりはラモナ・マルケス。革命家に捨てられたとき、妊娠していた。もうひとりはミレイア・フェレル。トマス・フェレルという男の娘である。トマスは「記憶と自由協会」の設立者で、国外追放者の記憶を留めるために闘っている。ミレイアは潜入中の国家警察官マヌエルと結婚するが、性暴力を避けるため身を潜めなければならなくなる。一方ラモナは、孤独なシングルマザーに待ちうける運命に飽き足らず、自分の母親の物語をねつ造し、国外追放者だとして母親の情報を協会に登録し、自分の全人生を嘘で塗り固めていく。