枢軸国とのつながりが明白であるにもかかわらず、フランコ体制が第二次世界大戦後にも存続したのは、終戦後に構想された国際関係の新しい秩序における概念的歴史的アナクロニズムの結果だった。本書は、1975年に死去するまで独裁者フランコが権力の座にとどまるのを可能にした、1945年から1953年までの複雑な世界情勢の外的な決定的要因の説明を試みる。アプローチにあたっては、これまでの史料編纂の特徴である、野党や体制自体が果たした役割の研究によるスペイン中心主義を避け、大戦中は連合国として勝利を導き戦後も結束した米英仏3国の位置づけに焦点をあてる。