高くそびえたつ城は、人生、風景、社会の全てを支配している。だが城の周辺には貧しいが親密な影の地域が残っている。二人の人物を中心として、矛盾や過去や悲劇や夢が現代のバルセロナを炙り出す群像劇。詩人や企業幹部、カタルーニャ自治州首相が闊歩する、市民戦争の息遣いに満ちた大都市バルセロナを舞台に、3日間の出来事から、ペライ・プッチ・アロザとジネス・ジョルディ・マティガラという二人の対照的な人物の、それぞれの人生の波乱が描かれる。ある郊外都市の凋落をきっかけに、城とその周囲で引き起こされる情熱、政治闘争、緊迫した経済やイデオロギーを語る小説。