Sexto Piso España
セクスト‧ピソ
出版社
2005年にスペイン本社を設立した独立系出版社。哲学、文学、現代の諸問題について考察する書籍を出版の基本ラインとする。
フアン・セバスティアン・レボンテが音楽家になったのは、天才によるものではなく、絶対的な父方の権威によるものだった。東欧の小さな町をツアーしていたとき、父の訃報を受け、ブエノスアイレスに戻る。遺産相続についての話し合いの中で、1970年代に経済的に恵まれた立場にあった父親が、わずかな土地しか残さなかったことを知る。その土地はパソ・デル・レイ駅に隣接する同盟都市にあり、家族の誰もその地域の記憶を持っていなかった。現代アルゼンチン文学で最も影響力のある作家の一人とされるエルナン・ロンチーノのこの魅力的な小説は、父と息子の絆、家族の秘密を掘り下げ、同じことを繰り返さない方法を探り、出口を見つける可能性を探る。
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文学
ある音楽
Una música
エルナン‧ロンシノ
Hernán Ronsino
Sexto Piso España
最終的には不運な結果を招いた事故に遭遇したアナ・マリアは、その後3年間エルモシーリョにある病院に入退院を繰り返していたが、そこで複数あった人生の最後のひとつを終えた。死亡後、秘密にしていた過去のライフヒストリーから彼女の最初の人生のひとつが垣間見えた。メキシコシティに住み、夫と4人の子供があったが、そのすべてを手放したというものだ。これは女のふたつの存在を結ぶ糸について語った小説であると同時に、喪失の記録、恋文、弔いの万華鏡、探求そして発見でもある。死がもたらす悲しみはまさに物語の不在を呼び起こすので、乗り越えるのが非常に難しい。『Lengua dormida(痺れた舌)』は孤児という境遇に対する反射行動によって、亡くなった母親を探し求める息子の心理的な旅を描いた小説。
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文学
痺れた舌
Lengua dormida
フランコ‧フェリックス
Franco Félix
Sexto Piso España
毎週木曜日、3人の友人がバルで集まる。ひとりは映画監督で現実と想像の世界を隔てる境界線を常にあいまいにしているようにみえる。もうひとりは小説家で、書くことと生きることにおいてできる限り自由であることを目指し、文体もガールフレンドもあまた持つ。3人目はある役所勤めの公務員、自分の妻や息子のことをほとんど何も知らないと感じている。3人は、扱いが難しい現実について、確信、ジレンマ、啓発的なナンセンスを口にするが、彼らにとって、ものごとに名前をつけることは、現実を自分のものとしてとりこむ方法であり、自分自身との矛盾、世界との矛盾も、生きる術のひとつだ。しかし、「ものごとの名前」とは、一見、普遍的で確実なもののように見えるが、一旦そこに疑問を呈すると、恣意的で不十分なものになる。
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文学
もの との名前
Los nombres de las cosas
Sexto Piso España
母であることは、ほとんどの場合幸福と結びつけられるものだが、ときには悪夢にも変わりうる。公園で遊んでいた息子が行方不明になった母と、わが子として育てるためにその子をさらった女の場合がそうだ。深刻な肉体的・感情的不安定さを背景に、同じ子ども――最初はダニエルという名で、その後レオネルと名付けられた――の母である女たち、そして同じ空虚感を抱えた母たちの物語が、親密さ、家庭内暴力、社会の不平等、孤独、寄り添うこと、罪と愛に対して我々が持つ先入観を私たちに突きつける。
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